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「庄司先輩のために」。矢板中央は“代役”の2年生CB清水陽が準々決勝でも抜群の守備能力を発揮

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矢板中央高CB清水陽(2年=大宮西カリオカフットボールクラブ出身)は高い守備能力を発揮し、無失点

[8.2 インハイ準々決勝 矢板中央高 0-0(PK2-3)国見高 カムイの杜公園多目的運動広場B]

 矢板中央高(栃木)は守りの要の一人、CB庄司碧月(3年)がインターハイ開幕前の練習試合で負傷離脱。代役として起用されたCB清水陽(2年=大宮西カリオカフットボールクラブ出身)がその穴を埋めるような活躍を見せた。
 
 この日、国見高(長崎)はコンビネーションやエースFW中山葵(3年)のドリブルなどで打開を試みていた。だが、清水は鉄壁のディフェンス。「国見高校は2FWがキーマンと聞いていたので、自分がそのキーマンを止めれば、勝利に貢献できるんじゃないかと思って全力を尽くしました」。昨年の国体少年男子の部でも活躍したストッパーは、守備能力の高さを存分に発揮。個の力で止めきり、相手をゴールに近づけなかった。

 清水は今季、怪我で出遅れてきたが、今大会は先輩の分も奮闘。「庄司先輩が怪我をして自分に出番が来たので、庄司先輩のためにも自分が思い切ってこのインターハイで結果を残してやろうと思ってプレーしました」。同じく対人守備の強さを発揮したCB梶谷皇光斗(3年)とのコンビを中心に国見をシュート2本に封じ込んだ。

 だが、清水は後半終了間際に右CKから迎えた決定機で決められなかったことを悔しがる。「自分がゴール前で押し込めばPKにならないで勝てる場面があったので、本当に申し訳ないなと思っています」。高川学園高(山口)との3回戦でもチャンスで決められなかったことを反省。「セットプレーとかでチームを勝たせるようにしたい」と力を込めた。

 高橋健二監督は181cmの高さ、身体能力も備える清水について、「(今大会は)良かったですよ。まだ2年生ですから、将来楽しみです」と期待。本人はこれから堅守・矢板中央の柱となって、公式戦で勝利に貢献することを誓う。

「庄司先輩が戻ってきても、自分が出て、チームのためになれるように。プリンスリーグあまり結果が残せていないので、来年のためにも残留して、今回インターハイはベスト8という結果で終わってしまったので、その後の選手権は先輩たちとチームのみんなで全国優勝を目指してやっていけたら良い」。能力の高さは年代別代表クラスに匹敵。注目の2年生DFは、結果を残し続けて大きく羽ばたく。

(取材・文 吉田太郎)
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