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相次ぐ前線の選手たちの活躍に「今日は自分の日かな」。準決勝まで無得点の明秀日立FW柴田健成が“無欲”の2発

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前半19分、明秀日立高FW柴田健成(2年=AC Milan Sakura出身)が左足でこの日2点目のゴール

[8.4 インハイ決勝 桐光学園高 2-2(PK6-7)明秀日立高 花咲スポーツ公園陸上競技場]

 FW登録の2年生右SHは、準決勝まで無得点。だが、焦りは無かったという。「『決めたいな』、と思うくらいで。前線の人がみんな決めていたので、『今日は自分の日かな』と思っていました」。無欲で決勝のピッチに立った明秀日立高(茨城)FW柴田健成(2年=AC Milan Sakura出身)が、日本一をかけた戦いで2得点の活躍を見せた。

 前半11分、右サイドを突破したSB長谷川幸蔵(3年)がマイナスのラストパス。「幸蔵さんが縦突破してくれて、自分にスペースがあったので、良いボールが来たので左足で決められました」という柴田が身体を投げ出しての左足シュートで今大会初ゴールを決めた。

 2年生FWは、さらに2得点目で決勝を「自分の日」にして見せる。前半19分、グラウンダーの縦パスにFW熊崎瑛太(3年)が反応。「瑛太さんが走って、『これは絶対に身体で勝つな』と。『こぼれて来るかな』と思って信じて走った」という柴田の下にボールがこぼれ、1対1からGKの股間を通す左足シュートで2-0とした。

 今大会、明秀日立は熊崎とFW石橋鞘(3年)、FW根岸隼(3年)とFW登録の3人が2得点を挙げていた。その中で柴田は結果が出ていなかったが、守備面、球際の強度などでチームに貢献。そして、萬場努監督が「昨日、柴田取ってないよね。取ったら良いよね」と言葉を発していたという決勝で、2年生FWがラッキーボーイになった。

 柴田は「(本来のFWではなく右SHのポジションで)決められない時期が長かったんですけれども、コーチたちが使い続けてくれたので感謝してます」と感謝。また、決勝で決めた2得点について「自信になります。(今後の)ハードルが上がりますね」と微笑んでいた。

 結果を残したが、ヒーローにはなれなかったと感じている。「選手権はヒーローになれるように、(全国大会を経験し、)もっと全国でやらないといけないなと思ったので、しっかり練習をしていきたい。ベンチメンバーも結果を残していて、竹山(龍生)とかが良いプレーをしているので、負けないように結果を残して、選手権ではもっと結果を出せるように頑張りたいです」。鹿島ファンで目標はFW鈴木優磨。ボールを収めるところなど真似できるところを真似し、シュート技術やドリブル突破を磨いて選手権でヒーローになる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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