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[MOM4379]明秀日立FW根岸隼(3年)_「やっぱり、根岸か」「エースだな」。静岡学園戦に続き、青森山田戦でも後半ATに決勝点!

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後半35+3分、明秀日立高FW根岸隼(3年=FC古河出身)が決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.31 インハイ3回戦 明秀日立高 1-0 青森山田高 カムイの杜公園多目的運動広場A]

「根岸が期待通り、ああやって点を取ってくれたのは良かったと思います。僕たちからすると『やっぱり、根岸か』というところです」。静岡学園高(静岡)との初戦に続き、青森山田高(青森)戦でも劇的な決勝点。明秀日立高(茨城)の萬場努監督は、10番FW根岸隼(3年=FC古河出身)の期待通りの活躍を喜んでいた。

 根岸は今年のチームの中心選手の一人。だが、今春に中学時代から痛めている足首の怪我を再発させ、その後なかなかコンディションが上がらなかった。明秀日立入学後初となる全国大会は、全てベンチスタート。だが、勝負どころで「点を取ることだけを考えろよ」と送り出された静岡学園戦で決勝点を決め、再び大仕事をしてのけた。

 後半35+3分、CB飯田朝陽(3年)の縦パスで一気に加速。「抜けたタイミングは、自分の中で『マジで決めろ!』『頼むから決めてくれ!』みたいな感じで入ったので良かった。こういうところで来てくれるのがエースだなと思います」。後方から10番の背中を見つめていたCB 山本凌主将(3年)は、このシーンについてそう振り返る。最後はGKを左側からかわして左足シュートを流し込んだ。

 殊勲の根岸はチームメートの下へ駆け寄り、歓喜を大爆発。「かわさないで打とうかと思ったんですけれども、(GKが飛び出すか)躊躇していたので確実にかわして、決めようかなと思って決めました。点を取った瞬間は、何も考えられなくて……急に嬉しさが込み上げてきました。先発の(熊崎)瑛太が凄く頑張ってくれて、跳んだり走ったりしてくれていたので、それで(青森山田の)後ろのCBも疲弊して上回れて、チームメートに感謝です」。先発FW熊崎瑛太(3年)や無失点で耐えてくれたDF陣に感謝していた。

 静岡学園戦も同じ形で劇的なゴール。179cmの長身ストライカーは、DF背後への抜け出し、決定力を強みにしている。「背後への抜け出しは元々得意なので、そこと決定力の部分は(全国大会でも)通用しているのかなと思います」。その鋭い抜け出しは、憧れのストライカーを参考にしたものだという。

「興梠慎三選手が好きで、小学校からずっと見ていて点も取るし、クロスの入り方も上手いし、抜け出しも上手いので参考にしています」。群馬県出身だが、中学時代は周囲の勧めもあり、茨城県のFC古河に所属。そして、萬場監督に自分の武器を評価してもらい、明秀日立への進学を決めた。

 切り札役として、インパクトのある活躍を続けているが、萬場監督は「(チーム事情で現在はベンチスタートだが、)先発でいつ使ってもおかしくないというような状態」と認める。本人は与えられた場所で結果を残し続けて、いつか先発のチャンスを勝ち取る考え。そして、チーム、個人のタイトルを目指していく。

「もちろん日本一を目指しながらも、大会前から得点王になりたいとずっと思っていたので、そこは目指してどっちも取りたいなと思っています」。現在の2得点に満足はしていない。ここからの戦いで「やっぱり、根岸か」「エースだな」と言われる活躍をまだまだ続け、目標を実現する。

(取材・文 吉田太郎)
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