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ウパメカノが幼少期の苦悩を告白「僕が話すとみんながからかう」

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DFダヨ・ウパメカノ

 バイエルン所属のDFダヨ・ウパメカノ(24)がUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝のマンチェスター・シティ戦を前にイギリス『ガーディアン』のインタビューに応じ、幼少期の吃音症を告白した。

 世界最高の若手CBとの呼び声高いウパメカノが吃音症(喋る際に言葉が詰まってしまう状態)を経験したのは8歳の頃。常に「僕が話すとみんながからかってくる」と自分に言い聞かせていたといい、それが怖くて人と話せなかったり、授業中に黒板に向かいたくなかったのだという。

 それでもウパメカノは家族の存在が支えになっていたと振り返る。「人々がからかってきたとしても、言葉に問題があっても、彼らはいつも僕に話すように言っていた。そして僕をあざ笑う人たちが、最終的には僕を称賛する人たちになるだろうと」。家族には吃音症がないため、孤独感にも苛まれたそうだが、「嘲笑から距離を取ってアドバイスに従うことができた」という。

 その頃に受け始めた言語療法士の支援は引っ越しや両親の離婚で一時中断したというが、15歳ごろに再開。吃音はメンタル的な理由ではなく、早口で話そうとすることにあったことがわかり、徐々に症状は改善されていったというが、ウパメカノに解放感を与えたのはサッカーだった。

「最も大きな助けになったのはピッチにいることだった。ディフェンダーとして話す義務があったし、試合を見て、全ての選手を見るのが役割だったので、話すか話さないかの選択の余地はなかった。また監督は僕をコーチにしてくれて、大きな自信を与えてくれた。チームメートとコミュニケーションを取る義務があるし、いい気持ちでピッチにいられた。そこでは誰も僕をからかわなかったし、プレーをしているときは吃ることはなかったんだ」

 当時はバランシエンヌのアカデミーでプレーをしながら、ヘアエクステを売りながら女手一つで育ててくれた母が犯罪に遭わないよう、試合後であっても駆けつけていたというウパメカノ。インタビューでは「彼女がお金を出してくれると言っても、いつも断っていた。そのおかげで今の自分があるし、母親は僕のことを誇りに思ってくれている」と母親への感謝も語っている。

 ウパメカノはそうした厳しい日々を経て、いまでは欧州制覇への道のりを突き進もうとしている。優勝候補筆頭と目されるマンチェスター・Cとの一戦に向けては「彼らには素晴らしいコーチがいて、素晴らしいチームだ。ただ、われわれはバイエルン。勝つために全てを出し尽くす」と決意を込めた。

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