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[MOM859]東海選抜FW近藤慶一(名古屋学院大3年)_一撃で流れ一変。いわきでJ2デビューの大型FWがエースの仕事

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後半15分、東海選抜FW近藤慶一(名古屋学院大3年=中京学院大中京高/いわきFC内定)が勝ち越しゴール

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.1 デンチャレグループB第2節 日本高校選抜 1-3 東海選抜 ひたちなか市総合運動公園]

 J2を経験してきたストライカーが、エースの仕事をしてのけた。東海選抜は同点に追いつかれた2分後の後半15分、MF井堀二昭(東海学園大3年=静岡学園高)が右サイドからCKを蹴り込む。これに反応した182cmFW近藤慶一(名古屋学院大3年=中京学院大中京高/いわきFC内定)が、頭でニアのゴールネットへ叩き込んだ。

 エースは1プレーで流れを一変させることを考えていた。「本当に1プレーで変えてやろうというのであそこに飛び込んだのがありますし、やっぱり悪い中で自分が取れればもう一回チームは前に行こうとなるので、そこは自分が決めてやろうという強い意志を持って入りました」。文字通りエースの仕事。近藤は「苦しい時に点が取れたので、本当に良かったです」と表情を緩めていた。

 年下の日本高校選抜に対して絶対に負けられないというプライドもあった。「やっぱり下の学年ですし、僕と3つ4つ離れている子たちだったので、本当に1個のプレーだったり、フィジカル、空中戦と本当に負けたらいけないですし、そこは迫力を持っていかないと。迫力を持って行って自分たちの良さを出さないといけないですし、やっぱり圧倒するくらいの力が無いと上では勝てないので、それは今日できたので良かったんじゃないかと思います」。序盤から“いわき仕込み”の迫力ある動き。前線で運動量を増やし、その強靭なフィジカルで高校生を苦しめた。

 いわきでは、年明けの練習参加で2部練プラス朝の走り、夕方の筋トレという強化メニューを3週間経験。「吐きそうになるくらいだったけれど、あれがあるから今走れると思います」と頷く。昨年12月の段階でJ2のいわき加入を決めたのは、大学4年生のシーズンから特別指定でJを経験するため、肉体を磨き上げて“フィジカルモンスター”と言われるまで進化するためだった。

 大型FWの出番は早くも訪れ、J2開幕戦から2試合連続で交代出場。“Jリーガー”としてのスタートを切っている。同時に、自分の現在地を再確認することができた。「まだまだ(目指している姿との距離は)遠いなというのがありますけれども、実際にJリーグに出させて頂いてまだ自分の力不足だったり、もっともっと成長できるなと感じました」。足元の技術力や相手に身体を当てるタイミング、前にボールを持って行く力……。J2をいち早く経験したことで得られた課題。それを“世界基準のフィジカル”いわきの恵まれた環境で進化させる。

「まだまだ進化できると自分では思っているので、いわきで進化したいと思っています。まずは自分の持ち味であるフィジカルというところをいわきさんは伸ばせるのでそこは一つの魅力ですし、縦に速く自分に合ったサッカーだと思っているので、そこはもう一個磨きをかけて、もう一個成長していければもっと上のクラスでやれるようになると思います。トレーナーの方からもどこにも負けない身体だったり、外国人にも負けない強さを身に着けろと言われている」。体重を現在の82kgから85kgまで増量し、その持ち味をより発揮すること。近藤は、いわきや大学サッカーのステージで結果を残すことも求めている。

「(いわきでの目標は)半年で5ゴール。1年で天皇杯と合わせて10ゴールは欲しいです。まずは1点取るというのが大事ですし、取れば僕は乗ってくると思うのでどんどん点を取れると思います。(今回のデンチャレは) まずは東海として日本一に立つというのが一番の目標」。自分自身を変えるために決めた進路。貪欲に肉体と判断力、技術力を強化し、目標とする姿に近づく。


(取材・文 吉田太郎)
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