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[関東]中央大主将GK猪越優惟は「雰囲気とGKレベルの高さ」で清水入り決断、3連敗スタートには「もっと突き詰めないと」

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中央大のGK猪越優惟

[4.15 関東大学L1部第3節 中央大1-2日本大 中央大G]

 3シーズンぶりの1部リーグを戦う中央大だが、苦しいスタートになっている。唯一の開幕2連敗で迎えた日本大戦も先制点を許す展開になると、前半33分にMF田邉光平(4年=名古屋U-18がPKを決めて同点に追いついたが、終盤に勝ち越し点を献上。1-2で敗れ、3連敗となった。

 昨年度よりOBの宮沢正史氏を監督に、中村憲剛氏をテクニカルアドバイザーに迎えた中央大は、2部リーグを優勝。センターラインの田邉やDF牛澤健(4年=名古屋U-18)、守護神のGK猪越優惟(4年=帝京長岡高/清水内定)らが最終学年を迎える今季は、1部での躍進も予想されていた。

 実際、猪越も「(ポテンシャルも他のチームに劣らないと思う。久しぶりに1部ですけど、優勝を目指して取り組んでいます」と話すほど、自信を持って新シーズンをスタートさせていた。

 しかし、「言い訳にせずにやっていかないと」(猪越)と話すものの、故障者の続出で開幕からなかなかベストメンバーが組めずにいる。「徐々に良くはなってきているけど、それでも隙をみせると今日のような試合になる。もっと突き詰めないと」と、開幕3連敗に危機感を募らせた。

 猪越はそんなシーズン開幕直後に、24シーズンからの清水エスパルスへの入団内定を発表した。清水には今春のキャンプから参加。「GKのレベルが高い所に行かせてもらったけど、普段自分がどれだけただ練習をしていたのか。自分の中では考えてやっていたつもりでしたが、考えてやっているところの次元が違った」と大いに刺激を受けて帰ってきた。

「去年、阿部(諒弥)選手が中央学院大から行ったので、オファーはないかなと思ったけど、キャンプに行った時にすごく雰囲気がよかった。権田(修一)さんとか(大久保)択生さん、(梅田)透吾君がいる中で、この環境でやれれば自分のスキルも上がるし、そのあとのキャリアにも繋がると思った。雰囲気とGKのレベルの高さをみて選びました」

 宮城県仙台市出身だが、高校は新潟県の帝京長岡高に越境入学。高校選手権で4強を経験すると、日本高校選抜にも選ばれた。大学では3年目の昨季からレギュラーに定着。リーグ最少失点(17失点)の堅守を引っ張り、1部復帰へと導いた。大学最終シーズンを前に関東選抜Aにも選ばれるなど、今季の注目選手の一人として、進路にも注目が集まっていた。

 さらに猪越は主将にも就任。「後悔したくないと思ったし、ギリギリのところで覚悟を決めようと思った」と4年生で話し合う中で、最後は自らリーダーになることを志願した。責任感を持つことで、自らの成長を促すつもりでいる。「自分はパリオリンピック出場を本気で目指している。たぶん、俺が入るなんて思っている人は今は日本で誰もいないと思うけど、そこはブレずにやっていきたい」。大学リーグから存在感を見せ続けられれば、その可能性は広がっていくはずだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第97回関東大学L特集

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