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[MOM885]京都産業大DF小野成夢(1年)_前期最終節でチャンス掴む…ルーキーが首位浮上に導く2発

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京都産業大DF小野成夢

[7.23 第101回 関西学生サッカーリーグ第11節 京都産業大4-0関西福祉大 ヨドコウ]

 猛暑の炎天下で行われた前期最終節。タフな試合でルーキーDF小野成夢(1年=愛媛U-18)が京都産業大を首位へと押し上げる活躍を見せた。

 前半9分にMF夏川大和(4年=草津東高)が上げたクロスをヘディングで叩き込み、試合の流れを一気に引き寄せると、前半アディショナルタイム3分には左CKからMF伊藤翼(1年=C大阪U-18)がヘッドで落としたボールを、相手DFより先にさわって押し込み、リードを広げた。

 小野は「1点目は練習してた形で、昨日の練習ではうまくいかなかったけど、大和くんからいいボールが来たので合わせるだけでした。2点目は翼の折り返しを触っただけなので、翼に感謝です」と笑顔で得点を振り返った。

 前日に関西学院大が敗れていたため、京産大は勝利すれば首位で前期を折り返せるという状況。しかし、これまで守備を支えてきたDF西村翔(4年=G大阪ユース)、DF佐藤幸生(4年=広島ユース)の両CBが欠場となり、急遽スタメンに名を連ねたのが小野だった。

「うちはこれまでそういう懸かった状況でことごとく勝てていない」と吉川拓也監督が語るように、京産大はここ一番で勝ちきれず、全国大会やタイトルを逃してきた。王者を目指すためには乗り越えなくてはならない一戦に、吉川監督は「結果を残してこい」と小野を送り出した。守備面でも、サイドからスピードを生かした攻撃を仕掛ける関西福祉大に粘り強く対応して、クリーンシートを達成し、起用に応えた。

「これまで、何回かチャンスをもらっていた中で、自分としてはチームに貢献できていると感じられてなかった。横窪(皇太・3年=金光大阪高)くんに頼るだけじゃなくて、自分がもっと率先してチームの勝利のためにできたらいいなと思ってやりました」と小野も手ごたえを口にするが、「相手FWにボールが入る前の準備の部分が、まだ自分はできていない」と課題も挙げる。

 自分より上手い人がたくさんいる環境で、切磋琢磨できると京産大への進学を決めた。「(西村)翔くんならビルドアップの上手さ、状況判断の良さ、守備の強さ、(佐藤)幸生くんは潰しにいくところや、ビルドアップで要所をつくところ、あと周りをよく見て雰囲気を盛り上げる人間性を見習いたい」と身近な先輩たちから刺激を受けつつ、日々取り組んでいる。「後期、メンバーに絡んでいくためには、見習うだけじゃなくて自分なりに個人のところを高めていきたい」と貪欲に成長を目指す。4年間で「攻守で戦えるパーフェクトに近い選手になりたい」という目標を達成するためにも、さらなる進化を目指す。

(取材・文 蟹江恭代)
●第101回関西学生L特集

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