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力の差を認めるオマーンGKアル・ハブシ「経験の差はキックオフから感じられた」

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[6.3 W杯アジア最終予選 日本3-0オマーン 埼玉]

 W杯最終予選の初戦で日本代表に0-3で敗れ、黒星スタートとなったオマーン代表のGKアリ・アル・ハブシは「両チームにあった経験値の差は、キックオフの瞬間から感じられたと思う。大観衆の前で重要な試合を戦った経験のある選手はオマーンに少なかったからね。この試合のことはできるだけ早く忘れて、次のオーストラリア戦に向けて切り替えることが大事だ」と試合を振り返った。

 それでも、アジア屈指のGKは、日本の前に立ちはだかった。前半27分、オフサイドを取られたFW前田遼一のシュートを抑えた場面を皮切りに、決定的なピンチを何度も防ぐ。後半9分にMF岡崎慎司が日本の3点目を挙げた場面も、最初のシュートは防いでいる。同22分にはCKからDF吉田麻也が放ったヘディングシュートも、滞空時間の長いジャンプを見せて、パンチングで弾き出す。さらに同44分にはMF本田圭佑のシュートを防ぎ、そのこぼれ球を拾ったMF清武弘嗣の強烈なシュートも、ゴールマウス外に送り出した。

 終盤にアル・ハブシが決定機を防いでいなければ、点差はさらに広がっており、オマーンにとっては致命的になっていたかもしれない。それでも守護神は「それが僕の仕事だからね」と苦笑し、「でも、チームはもっと良いプレーができたはずだから、残念だよ」と話した。だが、下を向いているわけではない。まだ戦いは始まったばかり、と前を向く。

「日本にとって最終予選の最初の2試合をホームで戦えることはすごく大きなアドバンテージだと思うよ。この厳しい最終予選では、ホームで確実に勝ち点3を重ねられるかどうかが大事になる。その上でアウェーでも何かを得られるか、だ。僕たちは次のオーストラリア戦をホームで戦うことができる。日中には最高47度にも達する暑さの中での戦いは、僕らにとってアドバンテージになる。それに次の試合からは、今日の試合にケガで出られなかった2人のCBも戻って来る予定だし、日本をホームに迎えたときも良い試合ができると思う。今は気持ちを切り替えて、次の試合に集中するよ」

 また、自宅が近くという日本代表FW宮市亮について聞かれると、「同じピッチに立てなかったことは残念だけど、試合後に会って『幸運を』と伝えておいたよ。彼はまだ若いし、時間もたくさんある。今後もオリンピック代表かフル代表かは分からないけど、活躍すると思うよ。アーセナルに所属していることがその証拠さ。期限付き移籍したボルトンでも大活躍したからね。新シーズンはアーセナルに戻って活躍するだろうね。彼はうちの4歳の娘のベストフレンドなんだよ」と明かした。

 日本が次にアル・ハブシを擁するオマーンと戦うのは、11月14日に行なわれる第6戦だ。暑さは和らいでいるはずだが、このGKの手強さは変わらないだろう。

(取材・文 河合 拓)

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