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MOMカシージャス「サッカー好きの誰もが待っていた決勝カードだ」

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[6.27 コンフェデレーションズ杯準決勝 スペイン0-0(PK7-6)イタリア フォルタレザ]

 息詰まるPK戦は、先攻のイタリア、後攻のスペインとも互いに5人目まで全員が成功し、蒸し暑いスタジアムの緊迫感は最高潮に達していた。

 ゴールマウスの前に立つのはスペインがGKイケル・カシージャス(R・マドリー)。イタリアはGKジャンルイジ・ブッフォン(ユベントス)。サドンデスに突入すると、6人目も両チームとも成功したが、先攻のイタリアは7人目のDFボヌッチがゴール上に大きく外してしまう。
 
 後攻のスペインは、7人目のFWナバスが冷静にゴール左隅に蹴り込み、PK戦7-6で勝利。その瞬間、スペイン選手は応援団のいるコーナー付近に一斉に駆け出し、喜びを爆発させた。

 興奮の決勝進出。だが、死闘を制し、決勝進出を決めたチームの中で、カシージャスだけは歓喜のダッシュに加わらず、ブッフォンの元にいった。互いに抱き合い、ユニホームを交換。MOMに選ばれたのは勝者のカシージャスだったが、120分間を0-0で守り切ったのはブッフォンも同じ。互いに称え合う、敬意のこもった抱擁だった。

 決勝ではブラジルと対戦する。「みんながこのコンフェデ杯の決勝でこの試合を見るのを待っていた」と切り出したカシージャス自身が、大一番を楽しみにしている。

「スペインとブラジルはマラカナでのコンフェデ杯決勝で対戦するのに値するチームだ。互いにタイトルがある。サッカーを好きな人ならこの決勝が特別な試合になるということに同意してくれるだろう」

 決勝は、準決勝から中3日のブラジルに対し、スペインは中2日。しかも準決勝で延長戦をこなし、移動距離も長い。だが、守護神は言う。「タフなゲームになるだろうけど、僕らは言い訳をしない」。カシージャスはフィールド選手の強い意志を代弁した。

(取材・文 矢内由美子)

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