スペインがPK戦の末、イタリアを下す!!初の決勝でブラジルと激突へ
[6.27 コンフェデレーションズ杯準決勝 スペイン0-0(PK7-6)イタリア フォルタレザ]
コンフェデレーションズ杯は27日、フォルタレザのカステロンスタジアムで準決勝を行い、スペイン代表がイタリア代表と対戦した。EURO2012決勝の再戦となった一戦は、今大会初の延長戦でも決着が付かず、PK戦に突入。PK7-6でスペインが死闘を制した。初の決勝進出を決めたスペインは30日、リオデジャネイロのマラカナンスタジアムで開催国のブラジルと激突。敗れたイタリアは同日の3位決定戦でウルグアイと対戦する。
スペインは23日のグループリーグ最終戦・ナイジェリア戦(3-0)で負傷交代したMFセスク・ファブレガス、FWロベルト・ソルダードがベンチスタート。代わってMFダビド・シルバ、FWフェルナンド・トーレスが2試合ぶりに先発した。グループリーグではGK3人がそれぞれ1試合ずつ起用されたが、この日は3試合ぶりにGKイケル・カシージャスがゴールを守った。
FWマリオ・バロテッリとDFイグナツィオ・アバーテを故障で欠くイタリアはグループリーグ最終戦のブラジル戦(2-4)から先発6人を入れ替え、システムも3バックを採用。MFアンドレア・ピルロ、MFダニエレ・デ・ロッシらが先発に復帰したほか、FWアルベルト・ジラルディーノが1トップで今大会初先発となった。
[スタメン&布陣はコチラ]
立ち上がりからスペインがボールポゼッションで上回るも、3-6-1のシステムで守備を固めるイタリアのほうが数多くのチャンスをつくり出した。前半3分、自陣でボールを奪ったデ・ロッシがそのままドリブルで駆け上がる。ジラルディーノに預け、最後はMFエマヌエレ・ジャッケリーニがシュートを打った。
狙いどおりのカウンターでまずは決定機をつくったイタリア。前半15分、DFクリスティアン・マッジョの右クロスにジラルディーノが右足で合わせると、同19分にはピルロの右FKからデ・ロッシがヘディングシュートを放つ。その直後にもジャッケリーニの左クロスをマッジョが頭で折り返し、MFクラウディオ・マルキージオがダイビングヘッドで狙った。立て続けにチャンスを迎えたが、いずれも枠を外れ、フィニッシュの精度を欠く。
一方のスペインは前半2分のFWペドロ・ロドリゲスのミドルシュート以降、シュートまで持ち込めない時間が続く。ボール支配率ではまさっても、試合は完全にイタリアのペースで進んだ。イタリアは前半36分、ジャッケリーニの左クロスにマッジョが飛び込み、フリーでダイビングヘッド。決定的な場面だったが、シュートはGKカシージャスの正面を突いた。
スペインは前半37分、ゴールに背を向けた状態で縦パスを受けたトーレスが鋭いターンでDFアンドレア・バルザーリをかわし、振り向きざまに左足でシュート。この試合、チームとしてようやく2本目のシュートとなったが、惜しくもゴール右に外れた。前半はそのまま0-0で終了。勝負の行方は後半戦にもつれ込んだ。
イタリアは後半開始からバルザーリに代えてMFリカルド・モントリーボを投入。デ・ロッシが3バックの中央に下がり、DFレオナルド・ボヌッチがセンターから右CBに移った。スペインは後半8分に最初のカードを切り、シルバに代わってFWヘスス・ナバスがピッチに入った。
後半も時間が経過すると、少しずつイタリアの運動量が落ち始め、スペインが徐々にチャンスをつくり出す。後半13分、トーレスの落としたボールをナバスが狙うが、GKジャンルイジ・ブッフォンがキャッチ。同19分にはMFアンドレス・イニエスタがドリブルで仕掛け、自らフィニッシュまで持ち込んだが、枠を外れた。
イタリアは後半22分にマルキージオが左足をつるなど疲労の色が見え始める。中3日のスペインに対し、イタリアは中4日と日程面では有利だったが(ただし、スペインはグループリーグ最終戦から移動なし)、前半のようなハイプレッシャーがかからなくなった。それでも、フォルタレザの観衆は大声援でイタリアを後押し。後半25分過ぎにはイタリアのボール回しに「オーレコール」が起こった。
セットプレーから1点を狙うイタリアだが、あと一歩のところでゴールを割れない。スペインは後半29分、DFジョルディ・アルバのスルーパスにペドロが抜け出すが、ゴールを空けて飛び出したブッフォンがシュートコースをふさぎ、ピンチをしのいだ。後半34分、両チームが同時に2枚目のカードを切る。スペインはペドロに代えてMFフアン・マタ、イタリアはマルキージオに代えてMFアルベルト・アクイラーニを投入した。
こう着状態が続く中、スペインは後半40分、トーレスから右サイドのナバスに展開。折り返しにDFジェラール・ピケがフリーで走り込んだが、シュートは大きくゴール上に外してしまった。同45分にはナバスの右クロスをトーレスが頭で落とし、マタが右足で狙ったが、シュートはミートし切れず、GKがキャッチ。0-0のまま今大会初の延長戦に突入した。
イタリアは延長前半開始からジラルディーノに代えてFWセバスティアン・ジョビンコを投入し、最後のカードを切った。延長前半3分にはMFカンドレーバの右クロスにジョビンコがニアでつぶれ、ファーサイドに抜けてきたボールをジャッケリーニが左足で狙ったが、惜しくも左ポストを直撃。スペインは同4分、トーレスに代えてMFハビ・マルティネスを投入し、そのまま最前線に入った。
スペインは立て続けにセットプレーのチャンスを獲得するが、イタリアもデ・ロッシがスーパークリアを見せるなど集中力を切らさない。延長前半9分にはイニエスタの浮き球パスに反応したアルバが左足ボレーで叩いたが、枠を捉え切れなかった。
延長後半4分にはイニエスタ、マルティネス、アルバと細かくつないで最後はマタが左足で狙うが、ゴール左へ。イタリアは同5分、DFジョルジョ・キエッリーニが右足をつってピッチに倒れ込むなど、耐える時間の続く延長30分間となった。スペインは延長後半10分、MFシャビ・エルナンデスの右足ミドルがブッフォンの手をかすめてポストを弾く。延長戦は一方的に攻め立てながら1点が遠く、試合は0-0のままPK戦にもつれ込んだ。
延長後半ロスタイムにはスタジアムの観衆も早く笛を吹けとばかりにスペインのボール回しに対し、大ブーイング。ハワード・ウェブ主審がPK突入の笛を吹くと、イタリアベンチは喜びをあらわにし、スタンドからは大歓声と「イタリアコール」が鳴り響いた。
PK戦では先攻のイタリア、後攻のスペインともに5人目まで全員が成功。サドンデスに突入し、6人目も互いに成功させると、先攻のイタリアは7人目のボヌッチがゴール上に外し、失敗してしまう。後攻・スペインの7人目はナバス。落ち着いてゴール左隅に蹴り込み、スペインがPK7-6の死闘を制し、ファイナルへの切符を勝ち取った。
(取材・文 西山紘平)
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コンフェデレーションズ杯は27日、フォルタレザのカステロンスタジアムで準決勝を行い、スペイン代表がイタリア代表と対戦した。EURO2012決勝の再戦となった一戦は、今大会初の延長戦でも決着が付かず、PK戦に突入。PK7-6でスペインが死闘を制した。初の決勝進出を決めたスペインは30日、リオデジャネイロのマラカナンスタジアムで開催国のブラジルと激突。敗れたイタリアは同日の3位決定戦でウルグアイと対戦する。
スペインは23日のグループリーグ最終戦・ナイジェリア戦(3-0)で負傷交代したMFセスク・ファブレガス、FWロベルト・ソルダードがベンチスタート。代わってMFダビド・シルバ、FWフェルナンド・トーレスが2試合ぶりに先発した。グループリーグではGK3人がそれぞれ1試合ずつ起用されたが、この日は3試合ぶりにGKイケル・カシージャスがゴールを守った。
FWマリオ・バロテッリとDFイグナツィオ・アバーテを故障で欠くイタリアはグループリーグ最終戦のブラジル戦(2-4)から先発6人を入れ替え、システムも3バックを採用。MFアンドレア・ピルロ、MFダニエレ・デ・ロッシらが先発に復帰したほか、FWアルベルト・ジラルディーノが1トップで今大会初先発となった。
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立ち上がりからスペインがボールポゼッションで上回るも、3-6-1のシステムで守備を固めるイタリアのほうが数多くのチャンスをつくり出した。前半3分、自陣でボールを奪ったデ・ロッシがそのままドリブルで駆け上がる。ジラルディーノに預け、最後はMFエマヌエレ・ジャッケリーニがシュートを打った。
狙いどおりのカウンターでまずは決定機をつくったイタリア。前半15分、DFクリスティアン・マッジョの右クロスにジラルディーノが右足で合わせると、同19分にはピルロの右FKからデ・ロッシがヘディングシュートを放つ。その直後にもジャッケリーニの左クロスをマッジョが頭で折り返し、MFクラウディオ・マルキージオがダイビングヘッドで狙った。立て続けにチャンスを迎えたが、いずれも枠を外れ、フィニッシュの精度を欠く。
一方のスペインは前半2分のFWペドロ・ロドリゲスのミドルシュート以降、シュートまで持ち込めない時間が続く。ボール支配率ではまさっても、試合は完全にイタリアのペースで進んだ。イタリアは前半36分、ジャッケリーニの左クロスにマッジョが飛び込み、フリーでダイビングヘッド。決定的な場面だったが、シュートはGKカシージャスの正面を突いた。
スペインは前半37分、ゴールに背を向けた状態で縦パスを受けたトーレスが鋭いターンでDFアンドレア・バルザーリをかわし、振り向きざまに左足でシュート。この試合、チームとしてようやく2本目のシュートとなったが、惜しくもゴール右に外れた。前半はそのまま0-0で終了。勝負の行方は後半戦にもつれ込んだ。
イタリアは後半開始からバルザーリに代えてMFリカルド・モントリーボを投入。デ・ロッシが3バックの中央に下がり、DFレオナルド・ボヌッチがセンターから右CBに移った。スペインは後半8分に最初のカードを切り、シルバに代わってFWヘスス・ナバスがピッチに入った。
後半も時間が経過すると、少しずつイタリアの運動量が落ち始め、スペインが徐々にチャンスをつくり出す。後半13分、トーレスの落としたボールをナバスが狙うが、GKジャンルイジ・ブッフォンがキャッチ。同19分にはMFアンドレス・イニエスタがドリブルで仕掛け、自らフィニッシュまで持ち込んだが、枠を外れた。
イタリアは後半22分にマルキージオが左足をつるなど疲労の色が見え始める。中3日のスペインに対し、イタリアは中4日と日程面では有利だったが(ただし、スペインはグループリーグ最終戦から移動なし)、前半のようなハイプレッシャーがかからなくなった。それでも、フォルタレザの観衆は大声援でイタリアを後押し。後半25分過ぎにはイタリアのボール回しに「オーレコール」が起こった。
セットプレーから1点を狙うイタリアだが、あと一歩のところでゴールを割れない。スペインは後半29分、DFジョルディ・アルバのスルーパスにペドロが抜け出すが、ゴールを空けて飛び出したブッフォンがシュートコースをふさぎ、ピンチをしのいだ。後半34分、両チームが同時に2枚目のカードを切る。スペインはペドロに代えてMFフアン・マタ、イタリアはマルキージオに代えてMFアルベルト・アクイラーニを投入した。
こう着状態が続く中、スペインは後半40分、トーレスから右サイドのナバスに展開。折り返しにDFジェラール・ピケがフリーで走り込んだが、シュートは大きくゴール上に外してしまった。同45分にはナバスの右クロスをトーレスが頭で落とし、マタが右足で狙ったが、シュートはミートし切れず、GKがキャッチ。0-0のまま今大会初の延長戦に突入した。
イタリアは延長前半開始からジラルディーノに代えてFWセバスティアン・ジョビンコを投入し、最後のカードを切った。延長前半3分にはMFカンドレーバの右クロスにジョビンコがニアでつぶれ、ファーサイドに抜けてきたボールをジャッケリーニが左足で狙ったが、惜しくも左ポストを直撃。スペインは同4分、トーレスに代えてMFハビ・マルティネスを投入し、そのまま最前線に入った。
スペインは立て続けにセットプレーのチャンスを獲得するが、イタリアもデ・ロッシがスーパークリアを見せるなど集中力を切らさない。延長前半9分にはイニエスタの浮き球パスに反応したアルバが左足ボレーで叩いたが、枠を捉え切れなかった。
延長後半4分にはイニエスタ、マルティネス、アルバと細かくつないで最後はマタが左足で狙うが、ゴール左へ。イタリアは同5分、DFジョルジョ・キエッリーニが右足をつってピッチに倒れ込むなど、耐える時間の続く延長30分間となった。スペインは延長後半10分、MFシャビ・エルナンデスの右足ミドルがブッフォンの手をかすめてポストを弾く。延長戦は一方的に攻め立てながら1点が遠く、試合は0-0のままPK戦にもつれ込んだ。
延長後半ロスタイムにはスタジアムの観衆も早く笛を吹けとばかりにスペインのボール回しに対し、大ブーイング。ハワード・ウェブ主審がPK突入の笛を吹くと、イタリアベンチは喜びをあらわにし、スタンドからは大歓声と「イタリアコール」が鳴り響いた。
PK戦では先攻のイタリア、後攻のスペインともに5人目まで全員が成功。サドンデスに突入し、6人目も互いに成功させると、先攻のイタリアは7人目のボヌッチがゴール上に外し、失敗してしまう。後攻・スペインの7人目はナバス。落ち着いてゴール左隅に蹴り込み、スペインがPK7-6の死闘を制し、ファイナルへの切符を勝ち取った。
(取材・文 西山紘平)
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