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ザック監督は現在なら誕生しなかった?ザック氏が母国イタリアの指導者ルールを批判

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アルベルト・ザッケローニ氏

 元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏が、18日付のイタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』のインタビューに応じ、母国イタリア国内の指導者を巡る状況に疑問を呈した。

 選手として成功を収めることはできなかったものの、若くして指導者のキャリアを開始し、下部リーグでの下積みからミランでのセリエA優勝へと叩き上げで頂点に立ったザック氏。イタリアのビッグクラブの指揮官を歴任した後は、日本代表監督としてアジアカップ優勝やワールドカップ(W杯)での指揮も経験した。

 そんなザック氏は、近年の監督業を取り巻く状況を問題視している。キャリアを終えた選手たちが指導者転身の際に優遇されていることを指摘した、同郷の名将アリゴ・サッキ氏に同調した。

「(イタリアサッカー連盟の拠点)コベルチャーノは能力主義がほとんど見られないが、選手たちを手助けするためにそうしているのだろう。発展するどころか後退してしまっている。カルチョは新たなアイディアを必要としている。そうしたアイディアを持っている者に信頼を託すべきだろう。知識やひらめきがあることを証明した者がいるのなら、なぜ彼にチームを作り上げ、ピッチで披露するチャンスを与えないのだろうか。もしかしたら元選手たちが仕事を見つけられなくなることを危惧しているのかもしれない」

 選手としては、セリエAやセリエBを経験していないザック氏。現在ならば、セリエAなどでの指導が可能なUEFAプロライセンスをイタリアで取得するためには、セリエAやセリエB、もしくは代表戦での出場条件を満たさなければならず、トップレベルでの指揮は極めて困難だったとみられる。そうなれば、日本でも親しまれた“ザック監督”は誕生していなかったのかもしれないし、サッキ氏やマウリツィオ・サッリ、ズデネク・ゼーマンらのセリエAにおける躍進も見られなかったのかもしれない。

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