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トルコ地震で急逝のアツへ…アヤックスMFの追悼パフォーマンスに主審もカード提示せず

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FWモハメド・クドゥスがアツに思いを届ける

 アヤックスはエールディビジ第22節でスパルタ・ロッテルダムと対戦し、4-0で勝利した。その中でも4点目を決めたFWモハメド・クドゥスのゴールパフォーマンスが注目されている。

 試合前日、ガーナ代表にも選出されているクドゥスに非常につらい知らせが届いた。ブラジルW杯に出場するなど、同国代表として長年活躍していたハタイスポルMFクリスティアン・アツがトルコ・シリア大地震で亡くなったと発表されたのだ。

 複雑な心境のもとで試合に臨んだことが予測されるクドゥスはこの試合にフル出場。後半39分にゴール正面からのFKという絶好の得点機会が訪れると、短い助走から左足をコンパクトに振ってゴールネットを揺らした。

 得点したクドゥスは迷わずゴールライン方向へ駆け出し、膝をついて天に向かって祈るように両腕を交差。同時にユニフォームをまくり上げると、アンダーシャツに記された「R.I.P ATSU(安らかに、アツ)」のメッセージをアピールした。

 このときクドゥスはユニフォームの前面を頭から背中へと通していた。これはユニフォームを完全に脱いだ場合と同じく、競技規則上はイエローカードに相当する行為。しかしポル・ファン・ブーケル主審は目をつむり、カードが提示されることはなかった。

 試合後、クドゥスは『ESPN』のインタビューで「これは生と死に関するもので、サッカーのルールよりも重要だ」とした上で、主審との会話内容を明かした。

「彼は認められない行為だと僕に話しながらも状況を理解してくれた。主審に感謝するとともに、彼をとてもリスペクトするよ」

 またメッセージについて「僕は彼に惚れ込んでいたんだ。だから今回このようなことを行った」と語った同選手は、「彼のプレーを見て多くのことを学んだ。アドバイスもしてくれたよ。僕が今日示したものはすべて彼に捧げるものだ」とアツへの思いを伝えている。

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