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冨安が“プレミア新基準”初の退場者に…アルテタ監督「ストップウォッチを持ってプレーしないと」「とても楽しくなりそうだ」

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DF冨安健洋が退場処分に

 プレミアリーグ第2節のクリスタル・パレスアーセナル戦で、アーセナルのDF冨安健洋が下された退場処分について、イギリス国内で疑問の声が相次いでいる。イエローカード2枚による退場だったが、1枚目はスローインの遅延行為、2枚目は軽微な接触による大きなチャンスの阻止で反則を取られており、いずれの場面も物議を醸しているようだ。

 アーセナルは21日に行われたクリスタル・パレス戦に1-0で勝利。王座奪還に向けて幸先の良い開幕2連勝を飾ったが、左サイドバックで先発した冨安が後半22分に2枚目のイエローカードを受けて退場したことで、最後は相手のパワープレーに対して押し込まれる苦しい展開となった。

 冨安に下された最初の警告は後半15分。ボールが左のタッチラインを割った後、FWカイ・ハバーツが一度はスローインをしようとしたが、本来のスロワーである冨安にボールが渡された結果、冨安が投げるのを躊躇する間にイエローカードを出された。プレミアリーグでは今季から遅延行為に厳しい姿勢が示されており、この新基準が採用された形だ。

 試合後、イギリス『BBC』のフラッシュインタビューに応じたミケル・アルテタ監督は、ハバーツがボールを持っていた時間も含めたとみられる「23秒あったが?」というインタビュアーの問いかけに対し、冨安が保持していた時間を示して「8秒くらいだった」と返答。「ストップウォッチを持ってプレーしないといけないかもしれない」と皮肉まじりに語った。

 またイギリス『ミラーによると』記者会見では「われわれにとって難しいことになるだろうが、10人、9人、8人でプレーするだろう。基準をどこに置くか次第で8対8にもなり得る。とても楽しくなりそうだ」ともコメント。「難しいことがあったけど乗り越えた。そのことが我々をもっと良くしてくれる」と勝利を喜ぶ姿勢も忘れなかったが、新たな基準には戸惑いを感じているようだ。

 さらに冨安は後半22分、冨安は背後に抜けようとしたFWジョーダン・アイェウを止めようとした結果、やや遅れ気味な対応となったことで、2枚目のイエローカードを受けて退場。新基準の影響を受けた初めての退場者となった。これには敵将のロイ・ホジソン監督も「アーセナルが2枚のイエローカードに不満を持つ気持ちは理解できるし、私もそう思うはずだ」と同情的な見解を示した。

 加えてイギリス国内では2枚目のイエローカードが出されたシーンにも疑問の声が出ている。冨安はアイェウの腰に手をかけていたが、シャツを掴んでいたわけでも強く押していたわけでもなかった。『トークスポーツ』のジェイソン・カンディ氏は「コモンセンス(一般感覚)があるならイエローカードは覆されるべきだ」と述べ、冨安の出場停止処分を撤回するよう主張している。

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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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