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歴史的アジア杯準優勝にヨルダン指揮官「新たな地平を切り拓いた」自国リーグに苦言も

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一時同点に追いついたヨルダン代表

[2.10 アジア杯決勝 ヨルダン 1-3 カタール ルサイル]

 アジアカップ決勝トーナメントでの記念すべき初白星からダークホース的な快進撃を続け、史上初めて決勝にまでたどり着いたヨルダン代表だったが、最後は連覇を狙う開催国カタールの前に屈した。

 シュート数では16対8、ボール保持率でも58%とカタールを大きく上回ったが、この日は8万6千人の大観衆を前に決定力が欠如。前半の終わり際と後半の中頃にはカタール守備陣を圧倒する時間帯を作るも、右サイドのクロスからFWヤザン・アルナイマトが決めたボレーシュートのみの1点にとどまった。

 試合後、記者会見に出席したフセイン・アムータ監督は前半の戦いぶりについて「パス、クロスで技術的なミスがあり、チャンスで得点することができなかった。簡単に得点を奪うチャンスがあった」と反省。「後半は良くなって同点に追いつくことができた」と振り返りつつも、PKでの2失点目を「そのタイミングが非常に大事になった」と悔やんだ。

 その上で指揮官は「チームは非常に進歩を遂げ、将来に向けて新たな地平を切り拓いた」と手応えを述べた。一方で「このレベルを維持するためには選手たちがもっと所属クラブにコミットし、このテンポやリズムを維持していく必要がある」と自国リーグに提言も。この大会を前に所属クラブで出場機会を失っていた選手がいたことが選手層の薄さにつながったといい、「クラブは選手が良いプレーをするための環境を作る必要がある」と苦言を述べた。

 記者会見には一時同点に追いつくゴールをアシストした主将のDFイサン・ハダッドも出席。「大会の最初の1分から最後まで戦ったチームをとても誇りに思う。責任感はとても重いものがあったが、この大会で起きたこと全てを決して忘れないだろう」と振り返り、「今日はファンを裏切る形になったが、全力を出したチームを誇りに思ってほしい。まだこれから最高のものを出せると約束する」と奮起を誓った。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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