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イングランド打ち砕く決勝ヘッド!! ”アンリ超え”にも歩み止めない36歳FWジルー「53点目はさらに良いゴールだった」

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FWオリビエ・ジルー(ミラン)

[12.10 カタールW杯準々決勝 イングランド 1-2 フランス アルホール]

 36歳になっても進化を止めないベテランストライカーの一撃が、フランス代表を2大会連続のワールドカップ準決勝に導いた。

 1-1で迎えた後半33分だった。MFアントワーヌ・グリーズマン(A・マドリー)の左CKは一度はクリアされたが、素早いセカンドボールの回収から再び左サイドに展開され、2度目のクロスボール。中央で待っていたFWオリビエ・ジルー(ミラン)は、絶妙なタイミングでニアサイドに走り込み、高い打点からのヘディングシュートでニアポスト脇を打ち抜いた。

 オープンな打ち合いながらも均衡したままだった激闘に動きをもたらす勝ち越しゴール。ジルーにとっては決勝トーナメント1回戦ポーランド戦(○3-1)に続く2試合連発弾となった。前回ロシア大会ではノーゴールで大会を終え、得点以外での貢献ばかりが称えられてきたストライカーだったが、今大会での得点数を早くも「4」とした。

 また今大会の大活躍により、フランスサッカー界の歴史をも塗り替えてきた。

 グループリーグの2得点でティエリ・アンリ氏が持つ同国代表得点記録(51点)に並んだジルーは、ポーランド戦でもゴールを重ねて単独首位に浮上。だが、準々決勝を控えた記者会見で「まだここで立ち止まるつもりはない。チームは私を必要としている」と述べ、チームのためにゴールを重ねる覚悟を示していた36歳は、この日のイングランド戦でも記録をまた一つ伸ばしてみせた。

 イングランド戦後の記者会見では「全てのゴールが重要で、52ゴール目でティエリ・アンリを上回ったのは事実だけど、この53点目はたぶんさらに良いゴールだった。少し前に得点するチャンスがあった。ただ別のチャンスが来ると思っていた。決められて信じられない気持ちだ」と笑顔を見せた。

 代表通算得点では弱冠23歳のFWキリアン・ムバッペ(パリSG)が33得点で猛追しており、いずれ抜かれるのは時間の問題だろう。ジルー自身も「彼は全ての記録を破るはず」と国が産んだスーパースターの登場を歓迎さえしている。それでもこの日、両者の得点差は縮まるどころか一つ広がり、その座を譲る日はまだまだ遠くなることを感じさせた。

 遅咲き25歳でのA代表デビューから12年目、衰えを見せないどころか、なおも歩みを続ける円熟のストライカー。「われわれは全力を尽くして戦った。2018年のメンタリティを思い出すよ。このチームはそこにたどり着くに値するグループだ」。今度は自らのゴールで、自身2度目の栄冠を掴もうとしている。

(取材・文 竹内達也)

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