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「グリーズマンというよりカンテ」との声も…進化遂げたフランス代表MF

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MFアントワーヌ・グリーズマン(A・マドリー)

[12.14 カタールW杯準決勝 フランス 2-0 モロッコ アルホール]

 フランスが大躍進のモロッコを2-0で下したカタールW杯準決勝、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたのはMFアントワーヌ・グリーズマン(A・マドリー)だった。今大会を通じて攻守にハードワークし、まさに“効いている”という言葉がピッタリの存在。円熟味を増した姿が目立つMFが再び、レ・ブルーを世界の頂点に導こうとしている。

 準決勝の試合後、イギリス『BBC』で解説者を務めるディディエ・ドログバ氏はグリーズマンのパフォーマンスを驚き混じりに評した。「グリーズマンというよりもカンテだ!」。姿を重ねたのは前回優勝時の中盤を支え、今大会は負傷によって招集外となっているMFエンゴロ・カンテ(チェルシー)。中盤を走り回りながらボールを奪い、縁の下の力持ちを担う汗かき役にたとえて称賛を送った形だ。

 かつては前線のポジションを担っていたグリーズマンだが、今大会で任されているのは4-3-3のインサイドハーフ。相手にボールを持たせることも多くなっている中、守備ではプレッシングの最先鋒を担い、プレスによる押し上げの回数はこの日チーム最多の36回を数えた。

 またサイドを崩された際には最終ラインにも顔を出し、的確な読みでボールをカット。前日会見ではディディエ・デシャン監督から「大半の選手よりも際立ってハードワークをしている」と評されていたが、走行距離やハイスピードランでもMFオーレリアン・チュアメニ(R・マドリー)に続いて2位の数値を記録した。

 それでも試合後、プレーヤー・オブ・ザ・マッチのトロフィーを手にした背番号8は、自身の功績を問いかける質問に落ち着いて返答した。「もう日曜日の決勝戦に集中しようとしているし、地に足をつけようとしている。落ち着いて集中したい」。目線の先には18日の決勝戦。「タフな試合になるだろう」と展望し、リカバリーに意識を向けていた。

 相手は前回大会のラウンド16で4-3の撃ち合いを演じたアルゼンチン。今大会で5ゴール3アシストを挙げているFWリオネル・メッシ(パリSG)とはバルセロナ時代のチームメートで最大限の警戒を語る。

「メッシがいるチームと対戦するのは難しい。彼らは最高の状態にあるし、メッシが良いプレーをするだけでなく、彼の周りにも強力な選手たちが並んでいる。また彼らには大勢のサポーターがついている」

 かつて1998年に母国初のW杯制覇を成し遂げた指揮官をして「彼は10年ほどエリートプレーヤーであり続けたが、チャレンジングな時期をくぐり抜け、ワールドクラスの全ての選手のように精神的にとても強い選手になった」と評されるまでになったグリーズマン。決勝進出にも浮かれることなく、落ち着いて決戦を見据えているようだ。

(取材・文 竹内達也)
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