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関東一の2年生FW本間凜はU-17高校選抜選考合宿の経験も持ち帰り、「みんなでもっと高め合って」目標達成へ

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関東一高FW本間凜はU-17日本高校選抜選考合宿で得た経験をチームに持ち帰る。(写真協力=高校サッカー年鑑)

 あの舞台に必ず戻る――。FW本間凜(2年=JSC CHIBA出身)は他の2年生たちとともに関東一高(東京)の先頭に立って成長し、1年後、再び国立競技場で戦う。

 関東一は国立競技場で開催された第100回選手権開幕戦を6-0で快勝。注目校・尚志高(福島)をPK戦の末に下して初めて選手権2回戦を突破すると、3回戦でも2年連続3位の矢板中央高(栃木)に2度のリードを奪う。2度追いつかれる苦しい戦いとなったが、終了1分前に本間が劇的な決勝点を挙げて、準々決勝へ進出した。

 準々決勝では「PKという形で勝たせてもらったんですけれども、何もさせてもらえなかったので静岡学園の選手たちは全員凄かったです」(本間)という静岡学園高(静岡)に土壇場で追いつき、PK戦で勝利。優勝候補を破り、準決勝の会場である国立競技場に戻る権利を勝ち取った。だが準決勝前日、関東一の選手2名に新型コロナウイルスの陽性反応が出たため、出場辞退。国立準決勝のピッチに立つことは叶わなかった。

 初戦から全試合で先発出場し、計2得点の本間は、「ああいう辞退という形で終わってしまって、関一サッカー部全員が悔しい気持ちで終わってしまったので、その分、新チームの1、2年生が主体となってまたあの舞台に戻らないといけないと思っている」と力を込める。

 選手権では、同じ2年生のDF矢端虎聖やDF倉持耀、MF湯田欧雅、MF小谷旺嗣、MF鹿岡翔和も全国のピッチを経験。本間は「春から良い結果が出せるように、選手権を経験した2年生たち全員で引っ張って頑張っています」という。そのチームの中で、自分が攻撃の中心にならなければならないことを理解している。

「(選手権までは)3年生がいたので、自分は走っていればボールが出てくる感じだったんですけれども、今年はまだ(現)2年生にそういう選手がいないので、自分がタメ作って、自分が前で起点を作って行きながらやっていければと思っています」

 本間は選手権後、関東一からただ一人、U-17日本高校選抜選考合宿に参加。「自分は運動量が持ち味なので、誰よりも走ったり、守備でもプレスバックをしたりして、味方を助けられたらなと思っています」と語るFWは、前線で献身的な動きを続け、練習試合では決定的なシーンに絡んだ。最終日の紅白戦では抜け出しから唯一のゴールを決めてアピール。また、同世代の才能たちとの日々で学んだことをチームに持ち帰るつもりだ。

「この合宿で得たものを関一へ持ち帰って、みんなでもっと高め合って行きながら本当に一から頑張って行きたい」

 本間の憧れの選手は2学年上の先輩FW笠井佳祐(現桐蔭横浜大1年)だ。笠井は20年度の選手権予選全5試合でゴール。特に準決勝と決勝ではいずれも2ゴールを決めてチームを3年ぶりの選手権へ導いている。

「関一に来て、全国という舞台を見せてくれたのが、笠井君だったので。本当に西が丘(準決勝)と駒沢(決勝)で試合見て、笠井君がチームを勝たせるような選手だったので、本当に尊敬していましたし、自分もああなりたいと思っていたので、まだ全然物足りないですけれどもどんどん近づいて行けたらなと思っています。次、選手権に戻れたら通用するようにこの1年頑張っていきたいと思っています」

 笠井は全国大会でも初戦で3発。2回戦では敗れたものの、後半終了間際に同点ゴールを決めている。本間は今回の選手権予選で決勝まで4戦連発。だが、全国大会で課題を感じたFWは今年、新チームの攻撃の起点となることに加え、目標とする存在により近づくことを目指していく。

 チームとしては、昨年逃したインターハイ出場も目標。先輩が上げてくれたプリンスリーグ関東2部から1部へ昇格することも狙っていく。そして、「自分自身、まだ全然成長する部分があると思うので、また選手権という舞台に戻って国立で絶対にやりたいと思っています」。貴重な経験も力に成長し、1年後は必ず選手権、国立の舞台に戻る。

(取材協力=スフィーダ、『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 吉田太郎)
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