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U-17高校選抜の中でも輝く10番。MF廣井蘭人は「結果を残せる選手に」

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U-17日本高校選抜の10番、MF廣井蘭人(帝京長岡高)は存在感ある動き

[2.19 練習試合 U-17日本高校選抜 4-6 拓殖大]

 21年度大学王者の駒澤大、関東1部の強豪・拓殖大と続いた格上との2連戦。高校2年生によって構成されたU-17日本高校選抜の10番がその番号に相応しいプレーを見せている。

 MF廣井蘭人(帝京長岡高2年=長岡JYFC出身)はボランチのポジションでビルドアップとチャンスの起点になる動き。駒大との初戦では、「凄くプレッシャーを掛けてくるので、外しやすいかなというところがあった」と飛び込んでくる相手をMF徳永涼(前橋育英高2年)らとのパス交換や個人技で剥がして何度もチームを前進させた。

 格上相手に中盤を支配するような内容。また、「相手が見えていないところのパスコース(を探し、通すこと)やパスの感覚はどのポジションでも自分の武器でもあるので、出していきたい」というレフティーは、斜めのスルーパスで右SB豊田怜央(桐光学園高2年)の決定機を演出するなど相手にとって怖い存在になっていた。

 拓大戦でも、徳永らとともに中盤で主導権。1本目にはMF高橋隆大(静岡学園高2年)の同点ゴールもアシストした。これまで帝京長岡では主にシャドーを務めてきたが、今回はボランチの位置で抜群の存在感を放っている。ボールに多く触れて攻撃にリズムをもたらし、ドリブルでDFをいなしてゴール前へ。光るプレーの要因は、「とてもやりやすい」という徳永や高橋の存在が大きいようだ。

「呼吸が合ったり、リズム取れる選手がいて、それも結構人数が多いので、凄く楽しくやれていると思います。自分のところじゃなくても試合作れたり、ボールが回るので凄く楽しいですね」。昨年、日本高校選抜やU-17日本代表に選ばれている廣井だが、選抜・代表チームではこれまでなかったほど自分の良さを表現。「去年一年は凄く苦しんだ」中で自分のテクニックとインテリジェンスを磨いてきたこと、またリズムの合う仲間たちとプレーできていることが、自身とチームの内容を向上させている。

 今回、廣井はU-17高校選抜の10番を背負っている。「正直、10番はめっちゃ嬉しい」と廣井。その中で堂々のパフォーマンスを見せているが、本人は満足していない。「10番もつけさせてもらっていますし、少なからず10番は中心というか、引っ張る存在だと思っている。まだ全然結果が出せていないので、まだまだだなと言う感じです」。チームの勝利、ゴールを求めている。

 拓大戦ではリードされた3本目にアタッキングサードからの仕掛けを連発。DFをかわしてシュートモーションまで持ち込んでいたが、DFに寄せられて打ち切れなかった。「ドリブルからのシュートの技術はまだまだ全然課題なので、1年間掛けてやっていきたいと思います。今回は良い動きができていると思うんですけれども、これをベースにして、今年自分は点を取れる選手が目標なので、ラスト1試合ですけれども、結果を求めてやっていきたい」。1年時に比べると勝負どころで活躍出来なかった昨年。だからこそ、U-17高校選抜でも結果にこだわっていく。

「悔しさを来年(22年度)は晴らしたいですし、何と言っても最後の学年は結果を残せる選手になりたいので、そこは求めていきたいです」。ゴール、また守備の強度、メンバーが入れ替わった時の対応力など、突き抜けた存在になるためにやらなければならないことがまだまだある。まずは静岡合宿最終日のプレーに集中。U-17高校選抜の10番として納得の行く結果を残し、次へ進む。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2021

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