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[MOM4007]矢板中央GK鈴木晴登(1年)_人間性向上と「3人」超え目指すGKが好守で優勝導く

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優勝を喜ぶ矢板中央GK鈴木晴登(1年=ASラランジャ豊川出身)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.19 NB CHAMPIONSHIP U-16決勝 流通経済大柏高 0-1 矢板中央高 時之栖うさぎ島G]

 1人のタレントの力に頼ることなく、全員の力を結集して勝つ「矢板中央のらしさ」(金子文三コーチ)が出た決勝戦。中でも大きかったのが、GK鈴木晴登(1年=ASラランジャ豊川出身)の好守だ。

 前後半で全11人を入れ替えたチームの中で、鈴木は後半開始から出場。その立ち上がり、CKの流れから至近弾を打ち込まれたが、「前の人が守備してくれて、『やるしかない』と。しっかりブロッキングできた」とストップする。

 そして、後半19分、右クロスのこぼれから再び大ピンチ。今度は正面、至近距離からのシュートに対し、「反応しかできなくて」と振り返るが、咄嗟に身体を投げ出した鈴木は顔面でビッグセーブをしてのけた。

 鈴木の特長はハイボールの強さとコーチングで、シュートを打たせず勝つことに喜びを感じるGKだ。その守護神が、チームメートも称賛した2つの好セーブ。先発GK宮下陸翔と見事な完封リレーで頂点に立った。

 矢板中央は1年生GK3人がトップチームでの活動や怪我のために不在。現状、鈴木は宮下とともに彼らを追う立場にある。「上に3人いて、あんまコンディションが良くなくて……。でも、『ここでチャンスが来たな』『やってやろう』と」いう思いで臨んだ今大会は、悔しい失点もあった。だが、準々決勝以降は興國高(大阪)、帝京長岡高(新潟)、そして流通経済大柏高(千葉)という強豪相手に3試合連続無失点。堅守・矢板中央の力になって優勝を果たした。

 鈴木は中学時代、練習試合で矢板中央と対戦。「雰囲気も良くて、人間として強くなるならここだなと」進学を決意した。GKとしての成長とともに、人間力の向上を目指している。

「1年生の中でも一番手になれるように。3年間の中で人間性を積み上げて、出れなくても大学、大人になった時に繋げられるように、人間性のところからしっかりとやっていきたい」。「newbalance CHAMPIONSHIP U-16」では我慢しながら成長してきた成果を発揮。優勝した自信も力に、挑戦を続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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