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東福岡は2-0から逆転負け。1G2Aの10番FW下川翔世「新たな課題が出てきたので、チームとしては良い収穫」

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後半2分、東福岡高の10番FW下川翔世がGKをかわして2点目のゴール

[10.12 高円宮杯プレミアリーグWEST第8節 静岡学園高 6-3 東福岡高 時栖富士]

「前半は自分たちのサッカーができていたので、このまま行けば勝てるかなという油断があって、それが一番の課題だと思います」。2-0から逆転負けした東福岡高の10番FW下川翔世(3年)は、前半の好内容で甘さが出たことを指摘していた。

 前半は距離感良く守り続け、静岡学園に思うような攻撃を許さなかった。サイドにボールが入ってもドリブルを阻止し、裏への抜け出しにもしっかりと対応。CB園文来(3年)は対人の強さに加え、長短の左足キックでビルドアップの中心になっていた。

 ボールを保持し、園やMF榊原寛太(2年)が局面を変えるパス。そして、最前線でキープ力も発揮していた下川や圧倒的なスピードを見せるMF浦十藏(3年)、また「スピードが違うから。捕まえづらいプレーヤー」(森重潤也監督)という初先発MF吉岡拓海(2年)が鋭く相手の背後を襲う。優勢に試合を進めて迎えた前半34分、下川のFKから右SB吉田大晃(3年)が先制ヘッド。後半開始直後にも左サイドを吉岡が抜け出し、最後はGKをかわした下川が左足シュートをゴールへ流し込んだ。
 
 直後にもハイプレスを掛けてGKをエンドライン際まで追い込んだ。だが、ここで奪いきれずに速攻を受けると、クロスから失点。前への強さを見せていたチームは横からの揺さぶり、セットプレーで苦戦し、逆転されてしまう。下川のCKからCB井上碧斗(2年)が同点ヘッドを決めたが、相手のテクニックを出させてしまう形で再び連続失点。GK須田純弥主将(3年)の2つのスーパーセーブも実らず、3-6で敗れた。

 須田は「前半は自分たちの思い通りに守備できて、攻撃でもセットプレーから点獲れて、絶対にこの試合行けるなという感じだったんですけれども、その余裕が後半に悪い影響を与えてしまって、自分たちのポジションミスや気持ちのところで全部相手に負けていたかなと思います」。ピッチ内から声は出ていた。また終盤にも決定的なチャンスを作っていた。だが、守勢の中でチームを奮い立たせるような動きをする選手が、より必要だったかもしれない。

 10番の下川は1ゴール2アシストの活躍。前線で攻撃の中心となっていた。「デカいという選手ではないのでちょっと考えてプレーしたり、収めて、自分の特長は個人技で突破するところなので、それを活かせたかなというのはあるんですけれども、自分的には納得できない。高体連同士でこんなに点差が開くことは情けないことだと思うので、次、また来週静学あるのでやり返したいと思います」と誓った。

 下川は得点シーン以外にも決定機があっただけに、決め切れなかったことを反省。悔しい敗戦であることは確かだが、「新たな課題が出てきたので、チームとしては良い収穫なのかなと思います」と前向きだった。

 高速ウイングの浦との相性の良さは森重監督も認めるところ。「浦十藏が速いので、自分がもっと活かせる選手になれれば、その作りを頑張れれば」。元々はシャドーを得意とするMFだが、FWとして決めるところも求めていく。

 下川はシーズン序盤、怪我に苦しみ、チームはインターハイ予選敗退。選手権への思いは特別だ。「選手権は必ず出て全国優勝という目標を掲げている。このプレミアは今週の履正社も高体連で負けられないので、また少ない期間なんですけれども調整できたらと思います」と力を込めた。6戦無敗(4勝2分)から3連敗。課題を改善し、勝って選手権予選に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
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