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先輩10番がJ1初ゴール。同日、静岡学園のG大阪内定MF高橋隆大が5得点に絡む活躍

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静岡学園高のG大阪内定の10番MF高橋隆大は5得点に絡む活躍

[10.12 高円宮杯プレミアリーグWEST第8節 静岡学園高 6-3 東福岡高 時栖富士]

 12日、J1で磐田の新人MF古川陽介がJ1初ゴール。昨年度、静岡学園高の10番を背負ったドリブラーが、J1首位・横浜FMを撃破する決勝点を決めた。同日、その古川の後継者で、23年G大阪内定の10番MF高橋隆大(3年=G大阪ジュニアユース出身)がプレミアリーグWESTの上位対決で5得点に絡む大活躍だ。

 1-2の後半13分に右足FKで同点アシスト。さらに17分には、右タッチライン際でのボールキープ、スペースへのパスで勝ち越しゴールを演出した。そして、3-3の後半20分にも相手の厳しいチェックを振り切る形で右サイドを突破。4点目のゴールの起点となった。

 10番は、そのテクニックで東福岡DFを翻弄。24分にも、右サイドでのドリブル、クロスで5点目をアシストし、45分には右サイドからの正確なCKで6点目をお膳立てした。主役の座は5得点の後輩FW神田奏真(2年)に譲ったが、後半、10番はG大阪内定の実力を披露。相手は時に2人、3人掛かりで止めに来ていたが、その状況でも高橋は緩急自在のドリブルでかわし、チャンスを作り続けていた。

 前半は相手の組織的な守備の前にボールをほとんど触れず、また鋭いプレスに合うなどチャンスに絡むことができなかった。中盤が機能しなかったチームは大苦戦。だが、「自分がやらないと勝てないのは分かっているので、マークが来ていたのも分かっていたんですけれども、気持ちで行ったかなという感じです」というエースは、後半に本領を発揮した。

 ボールをさらしながら、飛び込んで来たDFを抜き去る先輩MF古川は、選手権3回戦の宮崎日大高戦の超絶ゴールやインターハイ準々決勝・大津高戦の3度の切り返しからの決勝アシストが印象的。高橋はタイプこそ異なるが、その相手に向かいながら小刻みなステップでかわすドリブルは、全国トップクラスのDFでも完璧に止めることはできない。

 10月4日に来季からのG大阪加入内定を発表。直後のG大阪ユース戦ではドリブル突破こそ見せたものの、「気持ちで上回られた。ガンバにこれくらいやりたかった」という内容でシュート、ラストパスまで持ち込めず、試合も1-2で敗れている。この日は、その悔しさもぶつけるプレー。「やらないと評価されない。(個人、チームとしても)これを当たり前のレベルまで持って行って、その上でもっともっと上げていきたい」と誓った。

 チームはリーグ4位浮上。9年ぶりのプレミアリーグで残留へ大きく前進した。「プレミアは一番成長できる場なのでしっかりと伸ばして、選手権は一番の恩返しできる舞台なので、そこで自分が輝いてヒーローになって、最後は優勝という形で終えてプロのキャリアをスタートさせたい」。G大阪発表の身長は156cm。静岡学園の「最小、最強ドリブラー」が後半のプレーを続けてチームに多くのゴールと白星、そして全国タイトルをもたらす。 

(取材・文 吉田太郎)
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