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新生・八千代が強豪を連破。宿敵にPK戦で敗れて“裏選手権”準Vも、底上げに成功

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八千代高は「NEW BALANCE CUP 2023 IN TOKINOSUMIKA」(通称:裏選手権)で堂々の準優勝

[1.6 NEW BALANCE CUP決勝 流通経済大柏高 1-1(PK4-2)八千代高 時之栖裾野G]

 自信をつける4日間となった。八千代高(千葉)は今冬の新チームスタートから岡本一洋監督、豊島隆総監督の体制へ移行。「NEW BALANCE CUP 2023 IN TOKINOSUMIKA」(通称:裏選手権)では作陽高(岡山)、矢板中央高(栃木)、京都橘高(京都)、帝京高(東京)と全国の強豪校を次々と撃破し、宿敵・流通経済大柏高(千葉)との決勝でも印象的な戦いを見せた。

 決勝は前半にセットプレーからFW田中拓光(2年)のゴールで先制し、粘り強い戦い。プレミアリーグに所属する流経大柏に攻守で渡り合って見せた。紙一重の差で準優勝となったが、岡本監督は「(準優勝は)出来すぎな結果だと思います」と微笑。そして、「できることとできないことを抽出しようとこの大会に臨んでいたので、できることも結構見えてきて、この結果と内容を改善点にしてチームづくりに活かしていきたい」と続けた。

 今大会は帯同した24選手を様々なシチュエーションで起用。「高校年代なので、しかもこの時期でメンバーを固定しながらというよりも、色々な経験を積ませながら底上げをしていかないと僕らは勝っていけないと思う」と岡本監督は言う。

 その上で「まだまだ今回連れてこれていない選手にも魅力的な選手がいるので、学校に戻ってまた競争が始まります」とコメント。昨年のチームから右SB吾妻蒼太(2年)とMF西村元汰(2年)が残り、FW海野快斗(2年)ら攻撃陣はバリエーションが豊富だ。今大会は帝京戦や流経大柏戦で堅守を発揮。終了間際に西村のゴールで追いつきPK戦を制した京都橘戦や、PK戦でGK德田桂音(2年)が活躍した佐賀東戦など勝負強さも光る大会だった。

 22年度はトーナメント戦での惜敗が続き、0-1の黒星とPK戦での敗戦によってプリンスリーグ関東2部参入を逃している。西村は今大会、PK戦で2勝したことや、京都橘戦、帝京戦で粘り強く勝ち切ったことを評価。「自分たちの代はあまり強いという自覚がなかったんですけれども、流経にもこうやってPKまで行くことができて自分たちにとっては良かったと思います」と前向きだ。

 そして、吾妻は「新チーム始まって練習していなくて試合しかしていないですけれども、試合を重ねるたびに結構みんな成長していって、良い収穫は得られたかなと思います。この大会で結構成長した人が多いので、自信持って良いと思いますけれども、課題はあるのでシーズン始まるまであと3か月あるので、その課題を克服してもっと強いチームになっていきたいです」と力を込めた。

 開催中の全国高校選手権で初出場の日体大柏高(千葉)が躍進し、8強。吾妻は「悔しいとか羨ましいところはありますけれども、自分たち戦ってみてそんなに差はなかったので自信にして良いのかなって思っています」と語る。インターハイ優勝、選手権3位の歴史を持つ伝統校・八千代は夏冬全国出場した12年度を最後に激戦区・千葉の壁に阻まれているが、突破すれば全国舞台で勝ち上がる可能性は十分。新生・八千代が「NEW BALANCE CUP」から積み上げて、強いチームを作り上げる。

(取材・文 吉田太郎)

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