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前橋育英戦が昌平の基準に。個人、チームで上を目指す新主将CB石川穂高は先輩の言葉に感謝

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個人、チームで上を目指すU-17日本高校選抜候補CB石川穂高(昌平高2年)は30分間を無失点

[1.21 練習試合 U-17日本高校選抜候補 2-2 流通経済大 時之栖裾野G]

 U-17日本代表のCB石川穂高(昌平高2年)が、U-17日本高校選抜候補の守りを安定させていた。2本目の30分間出場した石川は、DFラインからの声でチームをコントロール。U-17日本高校選抜のDFリーダー候補の一人は、自発的に会話を増やしているという。ピッチでも自身の読みを活かした守りを表現しながら、上手く周囲に合わせて無失点に貢献した。

「みんなが自分のサッカー感を共有して、これから試合で積んでいけばもっともっと良くなっていくと思います」と手応えを口にする。U-17日本高校選抜は、前から守備へ行くスタイル。経験値豊富なDFはたとえ味方がミスしたり、攻略されても、「最後は自分が守る」という意志を持ってゴールを守り抜く考えだ。

 U-17日本高校選抜の活動には、Jクラブや大学から多くの強化担当者たちが訪れている。的確な読みを活かした守備や攻撃面も魅力の注目CBは、課題のアジリティの部分に精力的に取り組んでいる最中。「目の前の相手をちゃんと抑えて、何もさせずやらせなかったとしても満足せず、上目指していければ。そして、評価されれば嬉しい」と語った。

 昌平では、鹿島入りしたCB津久井佳祐(3年)の後任として新チームの主将に就任。プレミアリーグ初参戦を控えたチームを意識高く引っ張っている。「プレミアは相手が強いので、対策や練習の一回一回を大切にというのは伝えたりしている」。逆転負けした選手権3回戦・前橋育英高戦が教訓になっているようだ。

「正直、前橋育英は前半驚いたというか、本当に上手くて。強いのは分かっていたんですけれどもやってみたら本当に強くて。自分たち相手にあれほどはできないだろうと思っていたんですけれども、しっかり相手のキャプテン(MF徳永涼)中心に自分たちが1点取った後も落ち着いてやられてしまった」。追いつかれ、修正できないまま前半終了。後半に勝ち越されて1-2で敗れた。

「あの相手とやって負けたのは、今の練習にも活きています」。先発の1、2年生6人を残す新チームは、前橋育英のスピードや強度を忘れず、基準にしてトレーニング。「練習からあの前橋育英とやった強度であそこを圧倒できるくらいになれば、全国(優勝)も見えると思います」。その石川は、“最後のロッカールーム”で津久井が1、2年生に対して発してくれた厳しい言葉に感謝する。

「佳祐、言う方なので。愛があるというか、2年生たちに負けという形ではありますけれども凄い締めてくれたなと思います。(厳しい言葉を)言われたから嫌じゃなくて、逆に負けたチームのキャプテンとして、『踏み台にして欲しい』と言うのがあったんですけれども、自分が言うのと佳祐が言うのは違うので感謝しています」

 石川も自分たち下級生の不甲斐なさを感じていた。津久井は後輩のため、慰めの言葉ではなく、その甘さをしっかりと指摘して引退。同じく前橋育英戦でフル出場したMF長準喜(2年)も、「逆にありがたかったです。佳祐が言ったことは本当に間違っていないので。自分たち1、2年生が何もできなかったということが本当の感想なので、それを逆に慰めるのではなく、しっかり言ってくれるのは佳祐の良さかなと思います」。新チームはその思いにも応える形で結果を残す意気込みだ。

 新主将の石川は、「(3年生のチームに不足していた部分を)補いながら、自分の殻も破れるように、みんなが言いたがらないようなことをどんどん言ったり、みんなが意見交換しやすいチームにしたいと思っている」。チームの目標は3冠。台頭を続ける昌平に新たな歴史を築くため、他のタレントたちとともに厳しさを持って成長を続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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