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リニューアルされた近畿高校選手権開幕、桃山学院が注目FW西条の2得点で地元・畝傍に大逆転!

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桃山学院高が逆転勝ちで初戦突破

[2.18 近畿高校選手権1回戦 桃山学院高 2-1 畝傍高 葛城市新町公園球技場]

 18日、第75回近畿高等学校サッカー選手権大会が奈良県内にて開幕し、近畿6府県を代表する16校がノックアウト方式で激突した。葛城市新町公園球技場では、桃山学院高(大阪4)と畝傍高(奈良1)が対戦。地元の畝傍が先手を取るも、FW西条将太(2年)の2ゴールにより桃山学院の逆転勝利となった。

 近畿高校選手権は従来6月に開催されていたものだが、各カテゴリーのリーグ戦や高校総体予選との過密日程になっていたため、今回から2年生以下が出場する実質的な新人大会としてリニューアル。シーズンの頭に行われる大会として開催されることとなった。

 代表校の選定は各府県に任されており、奈良県は新人大会を開催して畝傍がこれを制覇。一方、大阪府は予選会を行わず、昨年の主要大会の戦績に基づいたポイント制で代表校を選出。桃山学院は4位枠での出場となった。

「この大会が新チームになって初めての公式戦。(対戦相手の畝傍は)すでに公式戦をこなしているチームとの差が出てしまい、フワッと試合に入ってしまった」

 試合後、そう言って苦笑いを浮かべたのは桃山学院の堀佳津之監督。「いつもの自分たちのプレーがまったくできていなかった」(西条)という桃山学院に対し、勢い良く試合に入った畝傍が17分にはMF久下駿人(2年)のゴールで早くも先制点を奪い取った。

 畝傍は1969年、71年、75年には全国高校総体出場も果たしている奈良を代表する伝統校であり、「文武両道に関してはワールドクラスだと思っている」と谷口祐樹監督が胸を張る県下有数の進学校。従来は「県のベスト4くらいが基準だった」(谷口監督)と言うが、今年は力のある選手が揃い、「全国に行く」ことを現実的な目標として捉えていると言う。その言葉どおり、「本当にタフなんですよ」と指揮官も認める粘り強さで桃山学院に対抗し続けた。

 試合の分かれ目となったのは前半のラストプレー。アディショナルタイムに突入し、まさに笛が吹かれる直前のタイミングで裏へと抜け出したMF坂上宗太郎(1年)と畝傍GK森井時生(2年)が接触し、これがPKに。西条が落ち着いて決めて同点での折り返しとなった。

「前半はボールが上に浮いているばかりだった」(堀監督)という「止める・蹴る」を重視する本来のコンセプトからかけ離れたプレーに終始してしまった桃山学院だが、同点になったことで徐々に本来のプレーを発揮。後半31分には「狙いとしているプレー」(堀監督)という巧みな繋ぎから敵陣を切り崩し、最後はエース西条が冷静に決めて逆転を果たした。

 畝傍は攻守で貢献度の高い主将のMF岡田奈朗(2年)を中心にタフな戦いを最後まで貫徹したが、スコアは動かず。桃山学院が粘る地元の名門の反撃を退け、8強へと駒を進めた。

(取材・文 川端暁彦)

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