beacon

[新人戦]鹿児島王者の鹿児島城西が白星発進。創部4年目で初出場の福岡大若葉を1-0で下す:九州

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半15分、CB横山輝人(中央)や10番MF石内凌雅ら先制点を喜ぶ鹿児島城西高の選手たち

[2.18 九州高校新人大会予選リーグ 鹿児島城西高 1-0 福岡大若葉高 西原町東崎公園サッカー場]

 令和4年度KYFA第44回九州高校(U-17)サッカー大会(九州高校サッカー新人大会)予選リーグ第4ブロック第1節で鹿児島城西高(鹿児島1)と創部4年目で初出場の福岡大若葉高(福岡2)が激突。鹿児島城西が1-0で勝った。

 九州大会デビュー戦の福岡大若葉が入りよく試合を進めた。鹿児島城西は、相手のウイングプレーヤーの動きや3バックでの組み立てへの対応に時間を要してしまう。中を見せながらワイドを的確に活用する福大若葉は7分、攻撃の起点になっていたFW川上礼偉(1年)が左サイドからクロス。これを俊足FW牧山大河(2年)が決定的な形で合わせる。

 福大若葉は、1タッチを交えたパスワークなど連動性のある攻撃で健闘。だが、鹿児島城西は15分、右CKの流れからキッカーのCB横山輝人(2年)の下へボールが戻る。そして、「1タッチで打とうと思ったけれど、相手寄せてきたので剥がして、速いボールを入れることだけ意識した」という横山がグラウンダーのラストパス。これを技巧派の10番MF石内凌雅(2年)が右足で合わせて鹿児島城西が先制した。

 鹿児島城西が徐々にボールを保持する時間、押し込む時間を増加。30分には左サイドをMF芦生海翔(2年)が抜け出し、ラストパスを通す。これをFW岡留零樹(2年)が左足で狙うが、福大若葉GK野上大翔(2年)が阻止する。

 福大若葉は後半、4バックへ変更して攻めに出ようとする。果敢にボールを繋ごうとしていたが、それを引っ掛けられ、我慢の時間が続く展開となった。鹿児島城西は新田祐輔監督が「ここがフィジカルがあるので。真ん中は結構無理ができる」と信頼を寄せる注目DF福岡想太朗主将(2年)と横山の2CB、MF坂上日向(2年)、芹生のダブルボランチがストロングポイント。攻撃センスの高い芹生、推進力のある坂上が積極的にボールに絡む形で相手を押し込んだ。

「(中盤の選手は)運動量が多い。走れる選手が揃っている。そこで動かしきれたら後ろまで来ない。コーチングはめちゃくちゃ意識しています」という横山らのサポートを受けながら、中盤の選手や最前線で強さを見せる岡留らが奮闘。相手の攻撃を封鎖し、2点目のチャンスを作る。だが、ラストパスやシュートまで持ち込んでいたものの、なかなか仕留め切ることができない。また、福大若葉も強度の高いチーム。鹿児島城西に押し込まれる時間が続いたが、踏ん張り、MF森部絢(1年)らがボールを奪い返して攻撃に繋げようとしていた。

 そして24分、福大若葉は速攻で10番FW渡邊陽平(2年)が左サイドを抜け出す。そのままシュートへ持ち込んだが、ボールは右外へ。初陣でプリンスリーグ九州1部昇格の鹿児島城西に食い下がったが、0-1で敗れた。

 鹿児島城西は県新人戦でライバル・神村学園高の連覇をストップ。神村学園が全国高校選手権で鹿児島県勢14年ぶりとなるベスト4へ進出し、注目度が高まっている中での勝利だった。新田監督は「新人戦もこれに勝ったら注目される。ありがたい」と歓迎。そして、横山は「チームの全体の雰囲気も終わった後良くて、九州新人ももう一回取ろうとチーム全体で思っている」と説明する。

 ともに決勝トーナメント進出を決めており、今大会で再戦する可能性は十分。それだけに、「もっと人が後ろから溢れ出てくるように」(横山)という部分や前線の連係の部分などを修正し、再戦でも勝って頂点まで勝ち抜く。

(取材・文 吉田太郎)

TOP