[2.18 九州高校新人大会予選リーグ 長崎総合科学大附高 0-2 日章学園高 豊見城総合運動公園陸上競技場(天然芝)]

　長崎総合科学大附高(長崎2)は近年、長崎県を代表する存在となり、今年はプリンスリーグ九州1部へ昇格する。18日に開幕した九州高校サッカー新人大会初戦でプレミアリーグ勢の東福岡高(福岡1)と0-0でドロー。特に前半は自分たちの運動量、声で相手を飲み込むような戦いを見せた。

　だが、2試合目の日章学園高(宮崎1)戦は、その良さを継続することができずに0-2で敗戦。左SB平山零音主将(2年=川崎市立大師中出身)は切り替えの早い攻守や、推進力を見せていたが、「ヒガシ(東福岡)の時は全員がやろうとして、みんな声を出して盛り上げていたんですけれども、日章になった瞬間、2試合目もあるけれど声が少なくて決められて、勢いでやられたと思います」と悔しがった。

　日章学園戦では賢くボールを奪い、回収するMF宇土尊琉(1年)や東福岡戦に続いて突破力を発揮したFW甲斐智也(2年)らが奮闘。2点ビハインドを負ってからはCBとして先発したFW福島文輝(2年)を前線へ上げてパワープレーへ移行した。決定機は作っていたものの、2試合連続無得点。定方敏和監督がサイド攻撃に時間をかけてしまったことなどを指摘していたように、課題も残る敗戦となった。

　1年時から先発を務める平山は、タレント揃う九州でも上位の左SBだ。「前への推進力とクロス、セットプレーにも自信を持っている」というレフティーは、指揮官からの指名を受けて名門校の新主将に就任。責任感を持って大役に臨んでいる。

「普段の練習で緩かったりしたら自分の責任でもありますし、試合に負けたら自分の力不足なんで。普段の練習からじゃないと変えられない。これから変えていきたい」と力を込める。

　そして、「(1年後の)選手権では国立に立てるようなチームにしていって、個人としては日本一に輝けるようなキャプテンになりたい。(今大会予選リーグの)60分間ならば60分間鼓舞し続ければチームの集中も切れないと思いますし、プレーではシンプルにやれば(相手)DFの迷うところも出ると思うので、自分がはっきりすれば点も取れる」と語った。

　指導陣からの評価も高かったMF竹田天馬前主将(3年)から学んだこともチームづくりに活かそうとしている。「天馬さんは甘いやつに自分から言えて、嫌われる人になれる。まだまだ自分は甘い。天馬さんを見てきているので、そういうところで学ぶところはいっぱいあると思う」。この日、チームメートに対して厳しい声も発していた新主将は、変えるべきところを変えながら、チームとともに成長する。

　日章学園での敗戦で苦しい状況になったが、大分鶴崎高(大分)との最終節で勝てばブロック2位へ浮上する可能性がある。平山は「明日勝てばまだ可能性があると思うので、気分を落とさずに、また明日1からやって、みんなで元気よく声を出し手いけば、相手を飲み込めると思います」。東福岡戦で見せたような戦いを立ち上がりから徹底し、ブロック2位と決勝トーナメントへの切符を勝ち取る。

(取材・文　吉田太郎)