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[デンチャレ]ビッグセーブで自身と日本高校選抜を乗せたGK上林真斗、満足せずに吸収と成長を続ける

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日本高校選抜GK上林真斗(昌平高3年)は好守を連発したが、満足せずに成長を誓った

[3.1 デンチャレグループB第2節 日本高校選抜 1-3 東海選抜 ひたちなか市総合運動公園]

 0-1の前半36分、東海選抜FW近藤慶一(名古屋学院大3年=中京学院大中京高/いわきFC内定)に至近距離から打たれたヘッドをビッグセーブ。日本高校選抜GK上林真斗(昌平高3年)の素晴らしい反応によってチームも、上林自身も乗った。

 上林は後半立ち上がりにもドリブルで抜け出してきたMF前田翔茉(常葉大3年=清水桜が丘高)の左足シュートをストップ。前半の終盤からチャンスの数を増やしていた日本高校選抜は、後半13分にMF小池直矢(前橋育英高3年)のゴールで同点に追いついた。

 だが、直後にCKから勝ち越し点を献上。「(監督の仲村)浩二さんも言っていたんですけれども、あそこは絶対にやられちゃいけない時間帯」と上林は唇を噛む。「(前半の好キックやビッグセーブがあり)後半も何本か止められたんですけれども、全部止めないとダメなのでそこは課題かなと思います」と反省。退場者が出て10人になったあとも好守を続けていた上林だが、全く満足していなかった。

「やっぱりGKとして無失点で終わりたかったというのが一番大きくて、高校生の代表として大学生でも同等以上のプレーを出さないといけないと思ってましたし、(デンソーカップチャレンジでは)この3年間で勝っていないというのがあって、『きょう絶対に歴史変える』という気持ちでみんなやっていたので、その分、悔しさは大きいです」

 個人としても“立ち位置”を変えるために結果を残したかった。「NEXT GENERATION MATCH」、デンソーカップチャレンジ初戦で日本高校選抜のゴールを守ったのは191cmGKデューフエマニエル凛太朗(流通経済大柏高3年)だった。上林はタレント軍団の昌平高(埼玉)で1年間ゴールを守り、インターハイ3位やプリンスリーグ関東1部優勝、プレミアリーグ昇格に貢献している実力派だが、現在はライバルに先行を許している状況だ。

「やっぱりデューフが昨日の試合で結構止めていて、デューフは名が知れている存在で、そこからポジションを取るために無失点で終わって、なおかつ自分も良いプレーをするというのが条件というかそれが一番大事なことだと思うので、ゼロで終わりたかった」。シュートセーブやキックを武器とする上林だが、クロス処理やハイボールの処理は誰にも負けたくないというこだわりを持っている。この日も見せていた安定感や止める力を発揮し、守護神の座や新たなチャンスを狙う。

「デンソーという色々な人が見てくれている大会で高校選抜という立ち位置ですけれども、チャンスはどこにでもあると思うので、GKは3人いますけれども、自分が出たら良いプレーができるように常に準備はしています」

 中高のチームメートであるMF荒井悠汰(FC東京)とCB津久井佳祐(鹿島)がプロ入り。刺激を受けている。「プロでやりたかったという気持ちは強いですけれども、大学4年間で同じステージに立てるようにやっていきたい。大学4年間で成長してプロを狙っているのがある。今のままじゃ全然無理だと思うので、4年間で色々、選抜からも吸収しながらやっています」。進路の専修大にはGK大野来生(3年)という注目守護神もいる。大学4年間、日本高校選抜の活動でも吸収、成長を継続。そして、目標達成に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
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