[3.1 デンチャレグループB第2節 日本高校選抜 1-3 東海選抜 ひたちなか市総合運動公園]

　思うようなプレーができていない悔しさがある。ゴールを決めた喜びも一瞬だけ。MF小池直矢(前橋育英高3年)は、中心選手としてのプレーで日本高校選抜を勝たせることを誓っていた。

　0-1の後半13分、日本高校選抜は速攻からチャンス。その流れから左SB山内恭輔(前橋育英高3年)の正確なクロスが中央に入る。これを「山内からクロスが来るな、というのがあったので決めるだけだった」という小池が頭でゴール右隅へねじ込んだ。後半、チーム全体が前へ出る中、エース候補の一人が“前橋育英ホットライン”でのゴールで歓喜をもたらした。

　だが、小池は「自分的にはその1点以外は全然ダメだった」と首を振る。チームは直後のCKから失点。退場者も出す中でもう一つギアを上げてゴールを奪うことができなかった。膝の怪我から復帰したばかりの小池は試合勘がまだ少なく、ボールを受ける準備の部分で相手に上回られる状況。鋭いドリブルや狭い局面でのボールタッチの質も特長だが、それも発揮することができなかった。

　ゴールだけは、の思いで挙げた意地の1点。「思うようなプレーができなくて迷惑をかけているなと感じていたので、点というところしかないなと思っていた。上手く取れたんですけれども勝ちには繋がらなかったので悔しいですね」。2月のU-17神奈川県選抜戦の2発に続くゴールで最低限の結果は残したが、勝って喜ぶことはできなかった。

　スピードに乗った中でのボールコントロールや抜群の高さから繰り出すヘッド、ハードワークする姿勢など魅力十分の万能型アタッカー。デンソーカップチャレンジでは、大学トッププレーヤーを上回るプレーをしてチームを勝たせなければならない。

「(復帰から間がなく)ボールがつかない中でも自分がどうフリーで受けるかももっと考えられたというのがあったし、それは明日からの課題。点以外にも自分にできるところはあると思う。自分が中心になってやらないと1勝できないと思うので、やっていきたい」。05年早生まれのMFは、U-18日本代表の中心選手候補でもある。今春、前橋育英から法政大へ進学。環境の変わる中でも常に日本代表を見据えて取り組み、成長を続ける考えだ。

「同じチーム(法政大)に(松村)晃助が20(U-20日本代表)入って、(前橋育英のチームメートである徳永)涼が18(U-18日本代表)に選ばれているというところで、自分も怪我している場合じゃないし、もっとやらないといけない。焦る必要はないと思うんですけれども、ゆったりしていたら大学生活も終わっちゃうので。(デンソーカップチャレンジの残り2試合も)結果にこだわってやっていきたい」。日本高校選抜に必ず初勝利をもたらし、デンソーカップチャレンジを終える。

(取材・文　吉田太郎)

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