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「凄く伸びている」静岡学園。課題改善を続けてプレミア開幕へ

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{c|静岡学園高}}のU-18日本代表候補FW神田奏真は課題を改善し、ゴールを量産することを誓った

[3.11 ECLOGA1回戦 静岡学園高 3-4 神村学園高 J-GREEN堺]

 静岡学園高の川口修監督は、「新人戦に比べたら凄く伸びている。この数か月で選手個人も」と試合の感想を口にした。技術面、決定力の課題も見られたが、指揮官が評価したのは選手たちの成長。「(まだわずかしか見ることができていないが、今年の代は)理解力があるのかな。日本一になったチームも自分たちの課題を改善する力があった。彼らは凄い伸びた。(今年も)スペシャルはいないけれど、伸びしろはあって、賢い子は多いのかなという感じはしている」と説明した。

 新人戦は県準優勝。技術力も、連係も、強度も不足し、危機感を感じさせるような内容だった。だが、U-18日本代表候補GK中村圭佑主将(2年)は、「新人戦の時はみんながちょっとバラバラなところがあったり、チームのためにというところが欠けていたと思う。新人戦負けた時に『このままじゃいけないな』という話はみんなでしていて、(優勝した2月)ミズノカップのところでちょっとそこは改善できたと思っている」。神村学園高戦も前半から集中した戦い。そのテクニックで相手の守りを翻弄し、終盤に1点差とすると、さらに相手を追い詰めるような攻撃を見せた。

 技術面はすぐには変わらない。それでも、中村は「みんなが悔しいと思ったと思うので、そこは明日の試合からギアを上げていけないといけない。切らさないところや(後半に)強度を落とさないところは明日から変えていけると思う」。続く興國高との3位決定戦は先制されたが、前半終了間際にMF志賀小政(2年)の2試合連続ゴールで追いつくと後半切らさずに1-1で80分間を終了。後半だけで3失点した神村学園戦の課題を一つ修正すると、最後は中村がPK戦で1本を止め、3位で大会を終えた。

 川口監督が評価していた一人が、U-18日本代表候補のエースFW神田奏真(2年)だ。「去年に比べたら全然良いよね。オレもきょう初めて褒めて。『去年よりも全然良いよ』と」。神田は昨年、プレミアリーグWESTで10得点。ホームの東福岡高戦で1試合5得点を記録したが、決定機で決め切れない試合が続き、攻撃面で大きな貢献ができたとは言い難い。だが、この日は先制PKを決めたほか、力強いキープやボールを運ぶ動きなどでも存在感があった。

 ただし、指揮官は「(神村学園戦で)決定的なところを外したでしょう。神村の14番(FW名和田我空)は決めたでしょ。『その差だよ』と言ったんだけど」と指摘。本人も「点決めてチームを勝たせるというのがFWの役目だと思うので、そこができなかったのは課題で、これからもっと練習しないといけないと今まで一番感じました」と悔しがっていた。

 最終学年を迎えた本人は、何よりゴールへの意欲が向上。「去年よりシュート本数も増えましたし、去年よりは意識的に変わっていると思います」。本人が不足していると分析するシュート技術、ゴールへの執着心もより高め、ゴールを量産する。

「取れるだけ取れるFWにならないとチームを勝たせられない。今日(神村学園戦)みたいな打ち合いでも失点4していますけれども、自分がもっと決めていれば5点は行けましたし、そういった面で決める力をつけないといけない。(1本中1本を決められるように)ならないといけないですね。まず自分が点を決めるというのをしていかないと、周りもついてこないんで。まず自分が改善してチームを強くしたい」と誓った。

 昨年のプレミアリーグに出場していた選手は中村、神田、中盤の柱・MF福地瑠伊(2年)ぐらいで経験は浅い。それでも、神村学園戦では交代出場のMF田嶋旦陽(2年)や攻撃的な右SB泉光太郎(2年)、CB矢澤怜士(1年)らもチャレンジし、アピール。また見つかった課題を改善し、少しでも成長してプレミアリーグの戦いに臨む。 
 
(取材・文 吉田太郎)

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