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[MOM4242]健大高崎DF田村陸斗(2年)_背骨骨折から復帰し、開幕直前に先発奪取。身体を張ったヘッド、守備で勝ち点1もたらす

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健大高崎高DF田村陸斗(2年=藤岡キッカーズ出身、右)は空中戦で強さを発揮

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.1 高円宮杯プリンスリーグ関東1部第1節 帝京高 2-2 健大高崎高 帝京北千住G]

 先発を獲得したのは3月27日から29日に開催された浦和カップの期間中。プリンスリーグ関東初出場のDF田村陸斗(2年=藤岡キッカーズ出身)が、身体を張って相手の攻撃を跳ね返し、健大高崎高(群馬)のプリンスリーグ関東1部初勝ち点獲得に貢献した。

「プリンス初めて経験して、速くて、ついて行くので精一杯でした」という前半。背後を狙ってくる帝京高(東京)の攻撃に対応していたが、今治内定FW横山夢樹(3年)の鋭いドリブルに苦しめられた。

 加速力でマークを外しに来ていた横山に対し、田村は「(後半は)最初のパスが出て来る前の間合いを近くして、パスが出てきた瞬間に潰そうと。後ろ3(バック)でカバーもいるので思い切ってできました」。守り方を変えた後半は、身体を厳しく寄せ続け、“危険人物”に前向きなシーンをほとんど作らせなかった。

 加えて、篠原利彦監督が評価したのが、「ヘディングで跳ね返しまくった」点だ。身長は175cmと特別な高さはない。だが、相手の前に身体を投げ出すようにしてヘッド。タイミングが良く、高さもある片足ジャンプから、幾度も相手の攻撃を跳ね返した。

 田村は昨年11月、競り合いで負傷。背骨を4箇所骨折する重傷だった。1か月入院し、ピッチに戻ってきてからまだ1か月も経過していないという。それでも、止める・蹴るや体力面から一つ一つ強化。篠原監督が「去年は全然(トップチームに)絡めるやつじゃありませんでした。でも、能力はあった。そこにメンタリティがついてきた」というDFは、ライバルたちに負けない日々を過ごし、一気に先発チャンスを勝ち取った。

「トップに絡んできてから自分がやらないと、という気持ちが出てきた。出た方が楽しいし、成長を結構感じられるようになったのでそれが楽しい」と田村。この日、Jクラブ内定の注目FWと渡り合ったことでまた成長を加速させそうだ。

 チームメートで同学年のDF新井夢功(2年)がU-16日本代表に選出されたことも刺激になっている。「(今日は)まだ足引っ張ってしまった部分があった。もっと成長したいです。もっと自分がというのを出して、チームが勝てるように、100%でプレーできるようになりたいです。空中戦では負けたくないですし、苦手な対人ももっと強くなって、カバー(に助けられる)じゃなくて、一人でも止められる選手になりたい」と力を込めた。成長を続け、チームにとって欠かせない存在になる。

(取材・文 吉田太郎)

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