beacon

[関東ROOKIE LEAGUE]期待の才能たちが巧さと強さ発揮。静岡学園が日大藤沢に撃ち勝つ

このエントリーをはてなブックマークに追加

静岡学園高の右SB篠塚怜音は1得点1アシストの活躍

[4.22 関東ROOKIE LEAGUE Aリーグ第1節 静岡学園高 3-2 日大藤沢高 時之栖裾野G]

 関東・静岡の強豪校の1年生が90分間ゲームのリーグ戦で力を磨く「2023関東ROOKIE LEAGUE」が、22日に開幕。Aリーグ第1節で20、21年度日本一の静岡学園高(静岡)と同18年度日本一の日大藤沢高(神奈川)が対戦し、静岡学園が3-2で勝利した。

 前半は静岡学園が強さを見せつけた。14分、FW佐々木雄基のスルーパスから右SB篠塚怜音がこぼれ球を豪快に撃ち抜いて先制点。本来ボランチで右SB初挑戦からまだ2週間だが、「中盤でやってきたことを活かしながら、コーチからも色々なポジションをやった方が良いと言われている」。その篠塚のゴールでスコアを動かした。

「練習試合でSBやった時に攻撃参加であまりチームの役に立てなかったので、きょうの試合はどんどん自分も攻撃にどんどん絡んでいこうと自分でも思っていたので、得点に絡めて良かった」と篠塚。静岡学園はも24分にMF北田優心の配球から篠塚が右サイドを抜け出し、リターンを受けた北田の右足ボレーで2-0と突き放す。

 静岡学園はいずれもレフティーのMF神吉俊之介と北田、佐々木、またMF四海星南が中心となってボールを保持。相手を押し込んで試合を進める。ただし、日大藤沢も期待値が高いという世代。元日本代表MF藤本淳吾氏を父に持つ俊足FW藤本歩優、県トレセンメンバーの大型ボランチMF榎本来輝、中体連出身でポテンシャルのあるFW渡邊雄飛、対人で強さを見せた右SB綾部和真らが対抗する。

 そして、後半に投入された注目株の一人、FW岩藤利龍が7分に鮮やかなゴール。流れは徐々に日大藤沢へ傾き、20分には榎本のフィードから相手守備陣の隙を突いた藤本が同点ゴールを奪った。

 だが、静岡学園は篠塚がドリブルでゴール前へ切れ込むなどすぐに勝ち越し点を目指す。そして23分、右ショートコーナーから北田がキックフェイントを交えた突破。そして、右足クロスをCB吉田俐軌が頭で合わせて再び勝ち越した。

 篠塚は「苦しい時間帯だったんですけれども相手に3点目取られずに、自分たちが3点目を取れたので良かったです」。静岡学園はその後も神吉が抜群のテクニックを披露し、佐々木がキープ力を発揮してゴールに迫るなど攻め続けた。

 試合終盤、互いにベンチも含めて盛り上がる中、日大藤沢は反撃。FW倉田悠太郎のカットインシュートや藤本の抜け出しでゴールへ迫るが、静岡学園はGK有竹拓海が好守を連発するなど3点目を許さない。このまま逃げ切った静岡学園が3-2で勝利。U-15日本代表スペイン遠征を控える注目MFMF山縣優翔を欠いていたが、自分たちのテクニックを発揮し続けて白星を勝ち取った。

 1ゴール1アシストの篠塚は千葉U-18への昇格ではなく、「もっとレベルアップしたい、強くなりたいというのと選手権にも夢があったので」という理由で静岡学園へ進学。「みんな凄く上手くて刺激させてもらっている毎日です。ルーキーリーグの目標は全国優勝です」。元スペイン代表のMFダビド・シルバに憧れ、ポジショニングや守備の読みを特長とする万能型は、自分の特長を磨き続けて上のカテゴリーでのチャンスを掴む。

後半23分、静岡学園高CB吉田俐軌が決勝ヘッド

(取材・文 吉田太郎)

TOP