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[球蹴男児U-16]入学前の敗戦で基準を知り、取り組んできた成果を発揮。日章学園が4-3で開幕戦勝利

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後半31分、日章学園高はMF脇元亮汰が決勝ゴール

[5.4 球蹴男児U-16リーグD1第1節 熊本国府高 3-4 日章学園高 大津町運動公園陸上競技場]

 日章学園高(宮崎)の1年生たちが入学前の3月に挑んだ徳島遠征では東山高(京都)に0-6で大敗。「そこの基準に辿り着けるようにみんなで熱量を持って取り組んでいました。(球蹴男児の)開幕戦は絶対に落とさず、勝つと決めていました」。GK西森和浩(1年=JFAアカデミー福島U-15WEST)が口にした通り、並々ならぬ意気込みで熊本国府との「2023球蹴男児U-16リーグ」Division1開幕戦に挑んだ日章学園が成長の跡を示し、激しい打ち合いを物にした。

 序盤は勢いよく試合に入った日章学園のペース。「攻撃のセンスがあるので自由を与えている」(福島将太コーチ)というMF内藤瑛太の左足キックでゲームを作り、独特の間合いで相手と駆け引きをする左のMF有馬大惺と右のMF吉田青空がサイドから見せ場を作った。前半8分には左を仕掛けた吉田のボールからFW松田帆空が先制点をマーク。35分にはMF松田恭成の縦パスから吉田がゴール前を抜け出し、混戦となった所をFW藤山真
が決めた。

 守備でも奪ってから素早く2トップにボールを入れてくる熊本国府の攻撃を、DF福田瑛大とDF久田朝日のCBコンビが落ち着いて対処。危ない場面があっても、「自分はハイボールが強み。1対1でのブロッキングも得意なので見て欲しい」と自信を覗かせる西森が安定感のあるプレーを見せて、失点の気配を与えない。

 ただ、後半になってからメンバーを大幅に入れ替えた影響もあり、前から勢いよく来た熊本国府に飲まれてしまう。「前半は落ち着いてプレーできていたのですが、後半になると相手がプレッシャーをかかってきて焦りが出てきた」と振り返るのは西森だ。後半27分にはMF青山遼太のゴールで1点を返されたが、すぐさま右クロスのこぼれ球をDF仲村陽太が打ち返し、再び2点差に。30分にはCKからDF坂梨統磨に2点目を許したが、MF脇元亮汰がすぐさま返し、熊本国府を引き離す。32分にはDF榊碧月に3度目のゴールを許し、試合終盤は熊本国府の猛攻を受けたが、最後まで集中力を切らさず走り切り、4-3で勝利した。

 3月の遠征時と比べて、全員でコミュニケーションをとりながら、チームとして戦えるようになってきた。失点の多さなど課題も見られたが、試合後には福島コーチから「最後まで走り切ったのは素晴らしい。よく頑張った」と選手を称える声掛けも聞かれた。西森も「トップチームでプレーさせて貰ってもいるのですが、みんなの熱量が高くて声が出ているので、雰囲気よくやれている。僕らの代も最初と比べれば熱量が出てきた。みんなで声が出せるようになり、雰囲気よくできています」と口にする。

 現時点でU-17日本代表FW高岡伶颯(2年)やMF川越廉斗(2年)のようにルーキーイヤーから主力となった選手がいた昨年のようなタレントはいないが、「みんな明るくプレーできるのが強み。人の意見をよく聞いて、改善しようと前向きに取り組めている」(西森)。今後の球蹴男児でも、この日見せたチーム一丸となって戦う姿勢を続け、チームとして個人としての飛躍に繋げていく。

日章学園高のGK西森和浩(1年=JFAアカデミー福島U-15WEST出身)はU-15日本代表歴の持ち主

(取材・文 吉田太郎)

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