beacon

[球蹴男児U-16]熊本国府はチーム一丸の戦いで後半に3得点。競り合いで健闘のDF坂梨統磨らが自信をつける開幕戦に

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半30分、熊本国府高がDF坂梨統磨(1年=ブレイズ熊本出身、19番)のゴールを喜ぶ

[5.4 球蹴男児U-16リーグD1第1節 熊本国府高 3-4 日章学園高 大津町運動公園球技場]

 あと一歩及ばなかったが、後半に熊本国府高(熊本)の猛攻から意地と底力が見えたのは確か。日章学園高(宮崎)との「2023球蹴男児U-16リーグ」Division1第1節は、確かな収穫と課題が見える一戦となった。

「みんな初戦の緊張感がなく、やるぞという勢いだったので、チームとしての雰囲気は良かったと思うけど、前半は試合の入りから難しいゲームになった。相手が前からプレスをかけて来て、最後は蹴るしかない状況になっていた」。DF坂梨統磨(1年=ブレイズ熊本出身)が振り返った通り、序盤のペースは日章学園。前半8分に先制点を許したが、以降は「勝っていれば、この試合のMOMだった」とU-16チームの指揮を執る正田浩之ヘッドコーチが称した坂梨を中心にDF陣が積極的なチャレンジを繰り返し、追加点を与えない。

 攻撃ではFW横田碧とFW清水駿の2トップがきっちり前線でボールをおさめて、右のMF青山遼太と左のMF小佐井勁弥が仕掛けていく。25分には横田のポストプレーから、MF榊碧月が右に展開。青山に通ればゴール前に抜け出せるビッグチャンスだったが、相手DFが先に反応。31分にはロングボールで相手DFの左裏をとった横田がゴール前にパス。青山のシュートはGKに阻まれた。前半終了間際に日章学園に2点目を与えたが、得点の期待感を抱かせる攻撃だった。

 後半は「0-0の気持ちでやろうと正田先生に言われていました」(坂梨)がプラスに働き、21分に青山の右クロスにファーサイドの小佐井が飛び込むなど、熊本国府らしいアグレッシブなプレーが続いた。

 27分にはミドルゾーンからのパスを受けた青山が中央を仕掛けて、待望の今季初ゴールをマーク。直後に3点目を許したが、30分には右CKから坂梨が決めて追いすがる。31分には4点目を献上したものの、32分には青山が倒されて得たPKを榊が決めてまたもや1点差に。残り10分を切ってからは同点を狙い、日章学園を押し込むなど最後まで諦めない姿勢を見せた。

 試合後、坂梨が「前半は一人ひとりが弱気な所があったのですが、後半はみんなが声をかけ合ってチーム一丸になれた」と話した通り、チームとして後半の戦いを継続できれば白星が見えてくる。

「相手の縦パスを潰す所や1対1に加え、競り合いの分でも相手に負けていなかった。競り合いはあまり得意ではないのですが、今日はうまくできました。高校に入ってから自主練で、いつもヘディングが強くなれるように自主練をしてきた成果が出せた」と坂梨が続けたように個人としての手応えを感じた選手も多く、価値のある開幕戦となったのは間違いない。

「今年の代が今まで最弱と言われてきたのですが、最近は一人ひとりの戦う姿勢が出てきているので、これからの球蹴男児を一戦一戦大事にして戦っていきたい」。坂梨がそう締めくくったように、最弱世代の汚名を返上できるような戦いをこれからも見せていく。

(取材・文 森田将義)

TOP