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[球蹴男児U-16]2度追いつかれ、勝ち越し許すも「みんなで協力してできた」大津が逆転。5-4で開幕白星

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大津高は苦しみながらも開幕戦勝利

[5.4 球蹴男児U-16リーグD1第1節 大津高 5-4 九州国際大付高 大津町公園陸上競技場]

「点の取り合いになったんですけれども、最後の際の部分で勝ち切れたのが良かったと思います。(4失点したが、)最後引き締めて、集中力を保ったり、みんなで協力してできたのが良かったと思います」(大津CB村上慶、1年=アビスパ福岡U-15出身)

 4日、「2023球蹴男児U-16リーグ」Division1開幕戦で大津高(熊本)と九州国際大付高(福岡)が激突。大津は2度のリードを追いつかれ、一時逆転を許す苦しい展開だった。それでも村上が分析したように、集中し、全員で協力して戦った結果、逆転。5-4で撃ち勝った。

 大津は前半21分、前線で切れ味と馬力を見せていたFW山下虎太郎が抜け出しから先制ゴール。29分にも縦パスからFW田中咲翔が抜群のスピードで抜け出し、2点目を叩き出した。右の塚田優斗と左の梅原昊大の両SBが攻撃に厚みを加える大津は、その後もチャンスの数を増加。レフティーのドリブラーMF岩崎天利や山下が個でも局面を打開し、決定機を作り出した。

 だが、九国大付は怯まずに攻め返す。前半35分には左サイドからゴール前に入れられたボールが相手のミスを誘発。こぼれ球をMF上手巧磨が決めて1-2とすると、粘り強く1点差を維持して迎えた後半19分にMF上村倫哉が同点ゴールを奪う。

 九国大付は後半、FW植田陸斗とFW河内綾太の投入でギアチェンジ。パワフルな攻撃、遠目からのシュート、そして左SB林田倫多郎をはじめとした各選手の献身性も効果を発揮した。大津は後半21分、MF山本一貴のロングスローからCB松野秀亮が勝ち越しヘッドを決めたが、九国大付は左利きのMF山本修吾と河内のゴールで試合をひっくり返した。

 それでも、大津は諦めない。30分、FW嶋村泰成がFCKマリーゴールド天草(熊本)時代からの盟友・山下のクロスから同点ゴール。その2分後にも「相手の視界から自分が消えてゴール前のスペースで冷静に決められたのが良かったです」という嶋村が決めて5-4とした。

 相手のパワーある攻撃を右SBが本職の村上と、松野の両CBが弾き返すなど1点差勝利。ポテンシャルの大きな村上は攻撃面について反省していたが、「ヘディングとか対人の部分は行けた」と振り返る。そして、「1年生の球蹴男児では全勝優勝。(個人としては、)今年は選手権の舞台に立てるように頑張ります」と意気込んだ。

 大津はピッチ外の部分も非常に大事にするチームだ。村上は、大津への進学理由について「サッカーの面もそうなんですけれども、人間的な部分で成長したいからです」と語り、入学後の1か月で「挨拶とかしっかりできるようになった」と変化を口にした。

 先輩たちは時間を無駄にすることなく、ピッチ外から真剣に取り組み続け、また切磋琢磨を続けて21年度選手権準優勝、22年度選手権3位。翌5日に開催された神村学園高(鹿児島)との大一番も勝利した大津は、人間として、プレーヤーとして進化を続けてまずは球蹴男児のタイトルを奪還する。

注目右SB村上慶(1年=アビスパ福岡U-15出身)はCBとして勝利に貢献

(取材・文 吉田太郎)

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