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修徳の注目FWが左WBで躍動。田島慎之佑「サイドを支配したい」

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修徳高の10番レフティーFW田島慎之佑(3年=修徳中出身)は左WBとして活躍

[5.5 関東高校大会東京都予選決勝 修徳高 2-1 実践学園高 駒沢2]

 注目FWが左WBでポテンシャルの高さを示した。修徳高の10番レフティーFW田島慎之佑(3年=修徳中出身)は、決勝で左WBにチャレンジ。主力CBの負傷や出場停止だった影響による左WB起用だったが、吉田拓也監督は「実際、WBが適正じゃないか。本当はあそこかなと。一生懸命頑張る子なので」と期待感を抱いていた。10番は見事に応えるパフォーマンス。特に守備面では、実践学園高の強力ドリブラーMF関根宏斗(3年)を封じ込んでいた。

 田島は「最初はちょっと不安だったけれど……」と振り返る。慣れないポジションに加え、実力者とのマッチアップ。だが、「結構、自分的にも止められた感じがしている。やりきった感はあります」と80分間の感想を口にした。この日は左サイドで強度の高い守備を連発。ファーストコンタクトで相手のスピードを止め、体をねじ込むようにしてボールをもぎ取った。

 左WBとしての強みは守備と前に追い越していく動き。前半24分にはドリブルで縦へ持ち込み、決定的なラストパスを通した。また、後半には同じく躍動していた右WB高橋夏輝(3年)のクロスを左足で合わせるシーンも。本人は攻撃参加の回数を増やせなかったことと、左足キックで決定機を演出できなかったことを悔しがったが、それでも守備面などで勝利に大きく貢献した。

 修徳中から中高6年目のシーズンだ。「小学校の時、結構太っていてあまり動ける体じゃなかった」と明かす田島は、中学入学前から約10kg減量したのだという。中学校の練習メニューで走ることが多くなり、体のバランス、スピード、そしてプレーの質も向上。「(中学入学時は)サッカー上手くなかったので無理だけれどやってみようとやっていたら思ったよりもできて……」。強豪・修徳高では1年時から出場を続けている。

  そして、強烈な左足、スピードを武器に注目選手へ成長したFWは今年、まず東京で1冠獲得。「(今後)チャンスもつくれて全体的にサイドを支配したいと思っています。自分、1年生から出ているけれど、(今年が)一番楽しい感じが出ていて、雰囲気も良いので、このまま停滞せずに上にいけたらいい」。新境地で躍動した俊足レフティーが、今後もサイドを支配し、プロ、強豪大学への“個人昇格”を果たす。

(取材・文 吉田太郎)

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