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[MOM4281]修徳GK小森獅音(3年)_「一番の目標は西川周作選手」。東京決勝でPKストップ

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優勝の瞬間、修徳高GK小森獅音(右)がFW田島慎之佑とがっちりと握手

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.5 関東高校大会東京都予選決勝 修徳高 2-1 実践学園高 駒沢2]

 自分の見て欲しいところは、「一番はシュートストップのところです」と言い切る。その修徳高(東京)GK小森獅音(3年)が、決勝でPKストップの大仕事だ。

 2-0の後半12分、修徳はPKを献上。だが、「自分、PK自信あったので。仲間も信頼してくれていたと思う」という平山が右へ跳んで弾き出す。当初は左へ跳ぶつもりだったというが、相手の助走を見て咄嗟の判断で右へ。跳躍した瞬間に足を攣らせ、チームメートには祝福よりも心配されていたものの、守護神の執念のシュートストップだった。

 チームメートにはJクラブも関心を寄せるFWンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄(3年)や10番FW田島慎之佑(3年)がおり、「ブライアンとか田島とか良いシュートを打つので日々から自分も良いシュートを受けれてレベルアップできていると思います」。その成果を得意とするPKで発揮した。

 今大会無失点を継続するビッグセーブだったが、同28分に失点。至近距離からのシュートを止めたものの、こぼれ球をゴールに蹴り込まれた。小森は「キャッチできれば」と悔しがる。簡単なシュートではなかったが、「そこを止められたら一流になれるかなと」とより高いレベルを自身に求めていた。

 小森は反応の速さを見せ続け、実践学園の反撃を凌いで優勝。そのGKは、吉田拓也監督が、「50(m走)測ったら一番速い。ブライアンよりも速いです。めちゃくちゃ足が速いです。185cmないから注目されていないですけれど……」と説明する身体能力の持ち主だ。身長は181cmだが、シュートストップに自信を持ち、コーチング、キックも得意。もちろん、個人昇格を目指しているが、本人は自分が目立たなくてもチームが勝つことに重きを置いている。

「サッカーの試合はGKが目立たないことが一番なので、目立ちたいという気持ちはありますけれども、試合としては自分が目立たなくて下から支えて勝てる方がいい」。インターハイ、選手権でも無失点で勝つことに集中。勝ち上がることで自身の評価も高めていく。

 小森は「めちゃくちゃレッズファンです。一番の目標は西川周作選手です」というGKだ。ACL決勝でも大活躍した西川は「シュートストップも良いですし、ハイボールとか、あとキックは一流だと思う」。利き足こそ異なるものの、努力を重ねて目標にしている存在に近づき、修徳に関東、全国タイトルをもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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