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青森山田のプラスになる声とプレー。10番MF芝田玲が決勝アシスト

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青森山田高MF芝田玲(3年=青森山田中出身)は強風雨の中で戦い続け、決勝点をアシスト

[5.7 高円宮杯プレミアリーグEAST大宮U18 1-3 青森山田高 大宮アルディージャ練習場]

「芝田は攻守ともに、あと自分の行動で示してくれるので。競り合ったり、スライディングして魂見せてくれたり、そしてあの技術があるから。(山本)虎と芝田の2枚はウチには欠かせない選手になってくれている」

 青森山田高(青森)の正木昌宣監督から攻守の要として、チームリーダーの一人として大きな信頼を寄せられている。MF芝田玲(3年=青森山田中出身)は、昨年からのレギュラーで、今年は伝統の10番を背負うボランチだ。

 主将のCB山本虎(3年)も「自分、キャプテンですけれども、芝田も同じくらいいつもやってくれますし、やっぱりチームがやっていない時に鼓舞してくれたり、ゲームを落ち着かせてくれたりする」と感謝するMFは特に後半、強風雨の中で球際の強度、切り替えの速さなど青森山田の基準を示し、決勝点を演出した。

 1-1の後半37分、青森山田は右CKのこぼれ球を左SB菅澤凱(3年)がスライディングで繋ぐ。右サイドに残っていた芝田はこれを右足ダイレクトで強振。ライナー性のボールが中央へ通り、FW米谷壮史(3年)が頭でゴール左隅へ流し込んだ。青森山田屈指の技術力を持つ10番が、試合終盤に決勝点を演出した。

「(落としのボールが)弱かったので、本当はアウトに掛けてファーサイドにというぐらいの気持ちで蹴ったんですけど、ちょっと相手をかすめて上手く軌道が変わって、(米谷)壮史に行きました」と芝田。普段ならばインサイドでフワリとしたクロスを上げていたかもしれない。だが、咄嗟の判断で右足を振り抜いたことが決勝アシストに。「あそこは勢いに任せて振り抜いたので、それが上手くゴールに繋がって良かったなと思います」と喜んだ。

 名門校の10番が常に意識していることは、「毎試合ピッチの中で一番輝きたい」ということだ。そのために人よりも頑張り、強気の姿勢を貫く。正木監督も「アイツは負けず嫌いだから」というMFは発信し続けることで、チームを引き締め、苦しい状況でも味方に前を向かせる。

「(思ったことを)あまり抑え込みたくないので、そこは味方にもちょっと強く言っちゃっている部分もありますけど、その分、褒めることもしてカバーしながら、自分の中で上手くやっているので、強気な姿勢は崩す必要はないと思っているので、チームのプラスになり続けられればなと思っています」

 この日、青森山田は0-1のハーフタイムに正木監督から厳しい言葉を掛けられた。指揮官に言われる前に自分や山本がチームを変えられなかったことを反省。どんな状況でも常にアンテナを張って、チームのプラスになる声、プレーで青森山田を勝たせ続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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