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注目MF辻友翔主将が同点弾。山梨の名手はより強みを出して怖い選手、帝京三を勝たせる選手に

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前半28分、帝京三高MF辻友翔主将(3年=フレンドリージュニアユース出身)が右足ボレーを決めて同点

[5.12 関東大会山梨県予選決勝 山梨学院高 3-1 帝京三高]

 山梨の名手がより怖い選手、チームを勝たせる選手になることを誓った。帝京三高MF辻友翔主将(3年=フレンドリージュニアユース出身)は0-1の前半28分に同点ゴール。右CKをファーサイドで胸トラップすると、「ゴール前は振ろうと思っていて。胸トラして後ろに流れてしまったんですけれども、振れる体勢だった」と強引に右足を振り抜き、左隅に沈めて見せた。

「強引ではあったんですけれども、決勝は気持ちが大事だと思っていたので、気持ちで押し込めた部分があったので良かったです」と辻。主将のファインゴールで流れを引き寄せた帝京三はこの後、的確なポジショニングとパスで勝ち越しのチャンスを作り出す。

 辻は前半29分にコンビネーションでPAへ抜け出し、切り返しから右足を振り抜いたが枠左へ。直後には足技を駆使して個で右サイドを攻略し、決定的なラストパスを通した。トップ下で収まりどころになり、味方に叩いて攻撃の起点に。だが、この日は宿敵・山梨学院の鋭いプレッシングに苦戦するシーンもあった。

「今まで予選でやってきた相手と比べると一段階上のプレスだったので、そこに速く慣れてそれ以上にいければなと思います」。後半半ば以降は自信を持ってボールを受け続けていたが、「前半からやれたらもっと試合展開は変わったのかなと思います」と悔しがった。

 辻は入学直後の関東ROOKIE LEAGUE開幕戦で流通経済大柏高(千葉)相手に圧倒的な動き。ボランチの位置で失わない力とパススキル、アイディアを存分に発揮し、クロスとスルーパスで2ゴールを演出した。強敵を翻弄して3-0の勝利に貢献。その後も強敵相手に存在感のあるプレーを続けた辻は同年夏のインターハイ予選決勝などで活躍し、昨年はレギュラーボランチを務めている。

 今年の山梨県を代表するタレントの一人。相良和弘監督は、その辻について「悪くない」と評し、「もうちょっとやって欲しいですけれども。決定力をつけないとダメでしょう。もっと顔を出して、もっと怖い存在になってくれたら。もっと要求しても良いかなと。運んだり何でもできる子なので」と求める。

 今年の帝京三はボールを保持し、数的優位を作りながら戦うスタイル。辻はこの日、ボールを引き出してさばき、精力的に背後へ抜ける動きも見せていた。この役割の質を高め、常にパスワークの中心になることも必要。その上で強みである前を向く、突破する回数を増やし、ゴールを決めてより怖い存在にならなければならない。

「最近はどんどん叩いちゃうことが多いので、そこで自分の良さを出していくことがこれからのチームの勝利に繋がっていくと思います。周りも使いつつ、自分でも怖さを与えられる選手になっていきたいです。前のポジションになったからにはもっと得点を取らないといけない。もっと練習して、シュート練も一つ一つこだわって、自分がチームを勝たせられる選手になりたいです」と誓った。

 今大会は準決勝、決勝でゴール。県1部リーグでは全4試合でゴールを決めている。昨年、ボランチを経験したことで守備の予測も向上。トップ下の選手としてのポジショニングもより極めてチームをインターハイ、選手権で全国大会へ導く。



(取材・文 吉田太郎)

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