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[MOM4405]近江MF西飛勇吾(3年)_目標は点を取れるボランチ。攻守でボールに係わり続け、「シンドい中でも頑張って」前へ

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近江高MF西飛勇吾(3年=シーガル広島ジュニアユース出身)はボールを受け続け、仲間がキツイ時に前へ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.27 高円宮杯プリンスリーグ関西1部第10節 近江高 1-1 京都U-18 ビックレイクC]

 Jクラブユースの強豪、京都U-18と1-1でドロー。後半は近江高(滋賀)にとって苦しい時間帯が続いたが、その中でMF西飛勇吾(3年=シーガル広島ジュニアユース出身)のプレーが光った。

 相手の鋭いプレッシャーに苦戦する選手が多い中、西は中盤中央で積極的にボールを受けて前進。「(プレッシャーは)速かったですけれども、心にどこか余裕があって前を向けたり、遠征中にもプレミアのチーム、米子北や東福岡、大学生とやって自信がついていた」と振り返る。

 加えて、「終盤になってくると相手も疲れてきて、自分もシンドい中でも頑張ってチャンス作ろうと」という西は体力的に厳しい試合終盤にゴール前へ飛び出し、決定的なシュートを打ち込んでいた。

 後半アディショナルタイムに迎えたGKとの1対1を決め切れず、ヒーローにはなれなかったが、前田高孝監督も高く評価するパフォーマンス。MF川上隼輔(3年)とともにセカンドボールを回収し、前へ出続けていたボランチについて、指揮官は「相当逞しくなった」と頷いていた。

 西は広島県のシーガル広島ジュニアユースから、「中国地方だと関西と全然レベルが違うと思って、練習参加で来た時に上手くて、質高くて、(前田)監督の熱も凄くて来ました」と滋賀の新興勢力・近江へ進学した。昨年から公式戦を経験し、勝負の3年目。だが、今年の2月、3月には葛藤していた時期があったのだという。

 2月の近畿大会では悔しい途中出場・途中交代も。「なかなか自分も上手くいかんことが多くて、ベンチの試合だったりも多くて、でもここで腐ったらここに来る意味ないし、試練やなと思って頑張りました」。毎試合後にコーチが声をかけてもらうなど、周囲の支えも力に先発の座を奪い取った。

 以前はさばくことばかりになっていたが、7月のプリンスリーグ関西1部・東海大大阪仰星高戦で前に出てゴールを決めた。その成功体験をきっかけに「自分が何とかしてやろう、自分が勝たせる選手になろうとやっていました」。この日もボールを収め、前へ出ることでチームの攻撃を牽引。京都U-18相手にも「やれている」という手応えを掴んで90分間を終えた。

 課題は「やっぱりゴールですかね。ミドルとか突き刺せるボランチってやっぱり強いチームにいると思う。強いチームは1本のチャンスを決める。その1本を決めるチームが上に行けると思うので、点をつけれるような選手になりたいと思います。刺せる選手になりたい」。MFフレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)やMFケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)らのプレーを参考に自分を磨き、攻守両面で貢献するボランチ、得点を取れるボランチになる。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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