[9.17 NBチャンピオンシップ決勝T1回戦 興國高 1-0 東山高 時之栖うさぎ島G]

「3年後に追い越したいです」

　興國高(大阪)は交代出場のMF樺山文代志(1年=RIP ACE出身)が決勝点。MF水野凪斗のスルーパスで抜け出すと、飛び出してきたGKを見ながらゴールへ流し込んだ。

「自分も信じて走ったので、あとはGK見ながらだったんですけれども、ちゃんとゴールを狙って打ちました。今日の1試合目、帝京長岡との試合で外していたので決められてよかった」。予選リーグ最終節の帝京長岡高(新潟)戦ではゴールを決めたものの、同じようなシーンでチャンスを活かせず。だが、今回は落ち着いて決勝点を決めた。

　先発で出たいという気持ちはもちろんあるが、現在はジョーカーとしての役割。「(中山)昇コーチに後半から出る時に『結果残してこい』と言われて、そこで残せたのが一番嬉しい」と役割を果たせたことを喜んでいた。

　ドリブルやシュートが強みの注目株。その兄は2年時にチームを選手権初出場へ導き、横浜FMへ進んだFW樺山諒乃介(現鳥栖)だ。兄と同じくRIP ACEから興國へ進学。「比較されているのは自分でも分かっている」という環境へあえて挑戦した。

　兄は入学前から注目され、1年生から公式戦出場を重ねたが、自分は現在Cチーム。それでも、地道に一歩一歩成長していく意気込みだ。「まだまだ負けている。でも、興國に来てちょっとずつ成長できている。3年後に追い越したいです」。そのために努力を続け、ニューバランスチャンピオンシップU-16で結果を残した。

　兄からは「『頑張れ』ってずっと言われていて、色々な話を結構するんですけれども、『まだまだやな』と言われます」。この日、ゴールシーン以外にも抜け出しからシュートを打ち込んだが、なかなかボールに絡むことができなかった。そして、続く昌平高(昌平)との準々決勝で敗戦。これから武器を磨き上げ、3年後に兄を超える。

(取材・文　吉田太郎)