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[NBチャンピオンシップU-16]交代選手も生き生きとプレー。攻守に強さ、勢いも見せる帝京が3-0で準々決勝突破

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後半2分、帝京高FW宮本周征が右足ループシュートを決め、3-0

[9.17 NBチャンピオンシップU-16準々決勝 東海大相模高 0-3 帝京高 時之栖うさぎ島G]

“全国大会級のU-16大会”、「ニューバランスチャンピオンシップ 2023 U-16」(静岡)は16日午後、準々決勝を行い、帝京高(東京)が3-0で東海大相模高(神奈川)に快勝。2大会連続の準決勝進出を決めた。

 今大会、名門・」帝京のリーダー役を担うMF加賀屋翼は「入りから前から行って良いところで奪って、そこから自分たちのサッカーができたので、そこは良かったかなと思っています」と振り返る。ともにボールを大事に戦う両校の戦いは、帝京が攻守の強さ、勢いを見せて快勝した。

 帝京は前半7分、FW宮本周征が左サイドへ抜け出してラストパス。これにファーサイドから走り込んだMF宮本理央が合わせて先制点を叩き出した。さらに18分には、加賀屋の左CKをMF杉岡侑樹が頭で決めて2-0。守備意識高くゲームに入った帝京は前からボールを奪うと、加賀屋やMF中川航希、杉岡を中心とした長短のパスにMF久保恵音のドリブルなどを交えて攻め、2点を先取した。

 東海大相模もポゼッションで対抗。ダイナミックな動きとボールを運ぶ巧さも光るCB塩田航央やMF石井龍翔を軸に、相手の間を狙いながら前進する。そして、エースFW戸川昌也やFW須貝晏士の前方のスペースを活用。23分には石井がゴール前へ抜け出し、GKをかわす。態勢を立て直してからシュートを放ったが、枠外へ外れた。

 また、MF深澤蒼がドリブルシュートを打ち込んだほか、ボールを握る時間も増やしていた。だが、帝京は左SB高橋遼らDF陣が対人の強さを示し、ゴール前に入って来るボールも一つ一つ確実に跳ね返していく。帝京は冷静にゲーム運びをする一方、一際気合の入っていた加賀屋が相手のボールホルダーに幾度も寄せ切っていたほか、GK須藤文汰が後方から声を発し続けるなど緩みを見せない。

 そして、迎えた後半3分、帝京はDF背後へ抜け出した宮本周が右足でループシュートを決め、3―0と突き放した。帝京は早い時間帯に選手を次々とチェンジ。メンバーが大きく入れ替わる中、後から投入された選手たちが非常に生き生きとプレーしていた。この日は22選手を起用。MF木村恵真がクロスバー直撃のドリブルシュートを放つなど各選手がチームプレーの中で良さを発揮しようとしていた。

 東海大相模は今大会、滝川二高(兵庫)や矢板中央高(栃木)を破って8強入りしたが、この日の後半は相手のフレッシュな選手たちの勢いに飲まれてしまった。左SB先崎晴逞の左足クロスや戸川のロングスローなどで反撃していたが、帝京に攻め続けられる展開。増子渉コーチは「テクニックに自信がある」チームが伝統校との差を埋めるようなメンタリティを身につけることを求めていた。

 帝京は、決勝トーナメント1回戦の神村学園高(鹿児島)戦に続き、2試合連続3-0で快勝。藤倉寛コーチが「(東京に)置いてきている子もいますし、(大会直前、)一週間メンバー争いをさせて、悔しい思いをさせている子たちもいる」という中、ピッチに出た選手が意欲的なプレーを続けている。

 加賀屋は「ベスト16の試合から結構良い空気でできていて、全員で戦えたのが良かったのかなと思っています」とコメントした。今大会は予選リーグ第2節で前橋育英高(群馬)に1-3で敗戦。関東ROOKIE LEAGUEを含めて試合の主導権を握りながら失点が続き、得点が奪えない課題も出ていたが、それも改善してきている。

 同じ1年生のMF永野太一とMF小林爽人がトップチームに帯同していることも刺激に。選手たちは全員で勝利し、アピールに繋げる意気込みだ。杉岡は「(準決勝で敗れた)去年の先輩たちの記録を超えられるように、準決勝も勝って、決勝も勝ちたいと思います」と誓い、加賀屋も「去年が準決勝で負けているので先輩たちの記録を超して、まず準決勝勝って、そのまま良い流れで決勝行って優勝できたらなと思います」と力を込めた。準決勝の対戦相手は快進撃を続けている飯塚高(福岡)。“帝京らしい”連動した攻撃と、勝利への執着心で難敵を上回る。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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