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市立船橋の2年生守護神、ギマラエス・ニコラスが“首位”相手に好セーブ連発

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市立船橋高のGKギマラエス・ニコラス(2年=Wings U-15出身)は好セーブを連発

[9.24 高円宮杯プレミアリーグEAST第15節 尚志高 1-1 市立船橋高 尚志高校第3G]

 この日、プレミアリーグEAST4位・市立船橋高(千葉)が同暫定首位・尚志高(福島)に打たれたシュートは20本。攻撃面でのミスが増えていたほか、セカンドボールの回収で苦戦したことによってDF陣にかかる負担が増えてしまっていた。

 加えて、守りの要・CB五来凌空(3年)が、体調不良から明けたばかりのためベンチスタート。だが、波多秀吾監督が「しゃべれるし、走れるのでしっかりやってくれる。(本来ボランチで)怖さはあったけれど、こういうところでちゃんとやって準備をしてやってくれる男」と評したCB白土典汰(3年)と、前への強さを発揮したCB宮川瑛光(3年)がゴール前で我慢強い守備。市立船橋の強みである両SB、右の佐藤凛音(3年)と左の内川遼(3年)も相手の強力なサイドアタッカー相手に粘り強く対応し、無失点に貢献していた。

 中でも2年生守護神のGKギマラエス・ニコラス(Wings U-15出身)は好セーブを連発。「止めることに集中して、集中力切らさずに最後までプレーできたので、シュートも落ち着いて触れて止められたかなと思います」と胸を張るパフォーマンスだった。

 枠を捉えたシュートに対し、一つ一つ集中して処理。後半12分には、PAから尚志MF吉田尚平(3年)に放たれた決定的なシュートを両手で触る。ボールはクロスバーを弾いて外れ、尚志の選手たちは頭を抱えて悔しがっていた。

 ギマラエス本人も「自分的にはちゃんと跳んで止めたいのがあった」というビッグセーブ。この後もU-19日本代表MF安齋悠人(3年)のカットインシュートなどがゴールを捉え、こぼれに反応されるシーンもあったが、2年生守護神はその前に立ちはだかり続けた。終了間際にPKを決められ、1-1でドロー。ヒーローになることはできなかったが、マン・オブ・ザ・マッチ級の活躍だった。

 DF陣のシュートブロック含めて堅守・市立船橋を構築できてきている印象だが、ギマラエスは「いつもと違うことが起きた時に対応できないことがあって、やられてしまうことがある」と指摘する。また、この日は安齋に突破を許すなど、課題が出ていたことを反省。より失点ゼロで終えることにこだわって練習を続ける。

 ギマラエスは昨年、双子の兄であるDFギマラエス・ガブリエル(2年)とともにU-16フィリピン代表としてAFC U-17アジアカップ予選に出場。そのシュートセーブ能力の高さによって、U-16日本代表を大いに苦しめた。今年は名門のゴールを任され、プレミアリーグ全15試合に先発フル出場。「自分はチームを勝たせるのが仕事のひとつなので、それはずっと頭の中に入れて前期から今までやってきています」というGKは責任感を持ってゴールを守り続けてきた。

 向上心の強いGKは、「試合慣れが凄くできて、どんどんシュートのスピードとかに慣れてきた。さらに高みを目指しているので、キックとかビルドアップとかで今、まだ成長段階ですけれどもまだ求めています」。フィリピンの代表関係者は引き続き、関心を寄せている模様。GKエデルソン・モラエスに憧れる17歳は、成長を続けて「一番自分の中では大事にしたい大会」という選手権やプレミアリーグで市船に勝利をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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