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帝京の今治内定FW横山夢樹は圧巻ゴールの一方でポスト、クロスバー。「決めれる選手にならないといけない」

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前半43分、帝京高のU-18日本代表候補FW横山夢樹(3年=FCトッカーノU-15出身)が右足で先制ゴール

[9.30 高円宮杯プリンスリーグ関東1部第14節 帝京高 2-3 三菱養和SCユース 帝京科学大学千住総合グラウンド]

 今治内定の10番が違いを示した。帝京高(東京)のU-18日本代表候補FW横山夢樹(3年=FCトッカーノU-15出身)はこの日、左サイドで2度3度と高速ドリブルを披露。1人で20m、30mとボールを運ぶと、さらにPAで深く切れ込み、ラストパス、シュートへ持ち込んでいた。

 前半43分には左サイドからドリブルを開始すると、味方選手の動きを活用しながら、DF2人のマークを外してゴール前へ。そのまま右足シュートを左隅へ叩き込んだ。圧巻の一撃を決めた横山は、後半にもクロスバー直撃のドリブルシュート。前半にもポスト直撃のシュートを放った横山について、日比威監督も「違いは見せていた」と頷いていた。

 普段から自宅周辺でも走力強化に取り組み、意識してスピードを向上。「スプリントとか上げていかないとプロでも上にいけないと思っていた。それで帝京にも良い影響が出ると思う」。現在は主に左SHとしてプレーし、縦へドリブルする回数が増加。その中で日本代表MF三笘薫(ブライトン)のようにエグること、抜き切ることを意識している。

「縦からグッと中に入っていく。三笘選手は得意でそれがあるから中があるみたいな。自分、元々縦に行っても抜き切らなくて上げるシーンが多かったんですけれども、今はエグっていくというイメージです」

 この日はイメージに近い動きを見せていたが、本人は1得点で終わったことを悔しがる。ポスト、クロスバーを叩いたシュートを決めることができていれば、スコアは4-3だったからだ。

「まだ練習量が足りない。抜いてシュートまでは良いけれどシュートが入らないという選手がいると思うんですけれども、やっぱりシュートも決められる選手はあまりいないと思うので、そういう選手を目指して。選手権では決めれる選手にならないといけない。自分がもっとやらないといけないと思いました」。シュートだけに固執することなく、状況に応じてベストの判断をする考え。その上で貪欲に得点を求めていく。

 この夏は約1か月半、内定先の今治に帯同。「このままじゃダメだなと改めて実感した」。よりスプリント力やシュートの質を高めることや守備意識の向上、攻守両面でチームに貢献することの必要性を感じて帰ってきた。

 そして、この日は同じく今治内定のCB梅木怜(3年)とともに違いを示すプレー。「(以前、練習参加後)こっちに戻ってきて、今治でやってきたことが高校レベルに戻ってしまうことが自分はあった」という横山は、今治で体感した強度やスピード感のレベルを維持して日常で少しでも成長を遂げる。

 チームとしては、この日のような敗戦を繰り返す訳にはいかない。「今のままなら(選手権で)予選通過できないとみんな絶対に思ったはずなので、もっと(自分を含めて)リーダーシップ取っていかないとダメだと思うし、きょう2本、バーとポストがあって、あれを決めていれば負けていなかったと思うので、自分が決めれなきゃいけないと責任を感じました」。帝京が09年度以来となる選手権に出場するためには、チームの成長、そして横山の活躍は不可欠。この日の悔しさも糧に、注目エースはゴールを決め続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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