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[プリンスリーグ関東1部]完敗の桐生一で一際悔しがっていた1年生。右SB長尾弥裕は攻守両面での成長を誓う

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桐生一高の右SB長尾弥裕(1年=伊丹FC出身)は悔しい敗戦を成長の糧に

[10.1 高円宮杯プリンスリーグ関東1部第14節 桐生一高 0-9 鹿島ユース 太田市運動公園陸上競技場]

 ホームで完敗を喫した桐生一高(群馬)の中で、1年生が最も悔しがっているように映った。前期半ばから先発を務めている右SB長尾弥裕(1年=伊丹FC出身)だ。後半の連続失点で落胆するチームを何とか鼓舞し、諦めずに戦おうとしていた。

 長尾は「9失点もする相手でもなかったので……。0-9の始まりはボクだと思うので、いつもよりも悔しいです」と首を振る。長尾は右サイドでの対人守備などで奮闘。前半終了間際に連続失点したものの、チームは気持ちを落とさずに後半に向かった。

 だが、後半2分、長尾はビルドアップでミス。ここから鹿島ユースにファインゴールを決められてしまう。後半はこの失点をきっかけに大量7失点。「いつも先生たちから『応援してくれている人の責任を持て』と言われている」という長尾はバックスタンドのチームメートたちの前で戦い続けたが、失点を止めることはできなかった。

 長尾は「対人やビルドアップで前進できるところが強みなんですけれども、それができなかったのは出ている意味がない」ときっぱり。守備の部分では良く食い下がり、相手のドリブルを止めるシーンもあったが、ボールを奪い取るまでは至らなかった。

「粘り強さは足りなかった。(攻撃面も相手のプレッシャーは速かったが、)間は空いていて、パスコースもあったけれど、自分の実力不足で繋ぐことができなかった」と悔しがる。中村裕幸監督が「(まだ技術力など不足しているが、)他の選手にないモノを持っている」と説明するDF。指揮官は敗戦の中で、最も声を出していた長尾や14分間の出場で可能性を示したFW原島謙伍(1年)らについては前向きに評価していた。

 強気の1年生DF長尾は普段から先輩選手にも意見。「喧嘩をしたこともあるんですけれども。サッカーに関しては『上下関係なく強く言って良い』と言ってくれているので、それは遠慮なく自由にやらせてもらっている先輩がいるのでやりやすい」。その先輩たちのためにより貢献できる選手にならなければならない。

「チャンスをもらって出れているけれど、まだまだ実力不足。守備のところはやられないことや対人の強さはもっと磨いていかないといけないですし、攻撃の参加の部分は今、SBに問われている部分だと思うので、しっかり攻撃に絡んで、アシストや得点をもっと狙えるSBになりたい」

 チームはこの後、プリンスリーグ関東1部残留や選手権予選優勝へ向けた戦いに臨む。長尾は、10月12日開幕の国体少年男子の部にも群馬県選抜の一員として出場予定。厳しい戦いが続く中、強い気持ちを持って必ず成長と白星を重ねる。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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