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[MOM4518]横浜FCユースMF加藤嵩寅(3年)_ミドル弾で今季5点目。求めてきたことを攻守で表現

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前半31分、横浜FCユースのMF加藤嵩寅(3年=横浜FCジュニアユース出身)が右足ミドルを決めて2-0

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.8 高円宮杯プレミアリーグWEST第13節 横浜FCユース 2-1 静岡学園高 横浜FC
・LEOCトレーニングセンター]

 今季、自身に求めてきたことを表現した。横浜FCユースのMF加藤嵩寅(3年=横浜FCジュニアユース出身)は、U-15、U-16日本代表候補歴を持つボランチ。前半31分、右クロスのこぼれ球から右足ミドルシュートをゴール左へ突き刺した。

「GKが凄い選手というのは知っていて、あの位置から思い切って振ろうというのは決めていたので、あのシーンは。トラップがちょっと足元に入ってしまったんですけれども、それでも思い切って振って決まったのは嬉しかったですし、とても自信になりました」。対戦した静岡学園高のGK中村圭佑主将(3年)はU-18日本代表で東京V内定の注目守護神。横浜FCユースは攻略困難な相手に1対1を止められるシーンもあったが、この場面では司令塔がドライブのかかったミドル弾を決め切った。

「まずは絶対に枠に打とうと思っていて、上は狙ったんですけれども、フカさないようにと思って蹴ったら、あまり意図はしていないんですけれどもドライブがかかってくれて、上手く入ったので良かったです」。普段の練習から沸いて来るというイメージ、アイディアを実践。練習でも同じように決めているという一撃で注目GKの壁を破った。

 加藤は「攻撃は自分の生命線だと思うので、スルーパスとかゲームメークとか絶対に人と違うところを見せないといけない」と語るように、攻撃面にこだわりを持ってプレーしている。前半からボールに係る回数を増やして正確にパスを繋ぎ、スルーパスも配球。そして、「今年は特にゴールとかアシストとか目に見える結果にフォーカスしていて、今年(チームトップの)5点目を決めれて、アシストもかなりできるようになってきている」と求めている結果をまた出せたことを喜んでいた。

 この日は、守備面でも印象的な動きを見せていた。タックルを決めてインターセプトしたほか、鋭いアプローチでインターセプト。後半、押し込まれる展開の中で自分が攻撃面で相手DFを剥がしたり、違いを出せなかったことを悔しがる。だが、90+3分に交代するまで守備意識高く戦い続けたことが勝利に繋がった。

 加藤は今年、トップチームの練習や練習試合に参加。「攻撃の部分では劣っていると思わなかったですけれども、やっぱり守備のところがもっと求められるのかなと思っています」と振り返る。Jリーガーは強度が高く、寄せのスピードが速い。その上で高い技術を発揮していた。4年後へ向けての課題として、守備でも存在感のある選手を掲げるボランチが、その守備でも勝利に貢献した。

「自分の課題が守備なので練習から意識したりとか、(小野)信義監督にもそういうところをやっていくようにと言われているので、取り組んでそういうのが出せたので良かったと思います。意識持ってやっているので、(守備でも存在感があったと)周りからそう思われるようにできているというのが一番良いと思うので良かったです」と微笑んでいた。

 目指す姿がある。「(大卒で)即戦力でいきなりプロで活躍できる実力を絶対につけないといけない。今まで通り攻撃ではさらに違いを作って、『(自分に)渡しておけばビルドアップはしてくれるよね』という選手になって、さらにゴールとか、アシストとかで結果を残せる選手になるのと、守備の部分でも攻撃が得意だからといって守備を疎かにするのではなくて、守備でも存在感のある選手になれればもっと良い選手になれると思っています」。昨年のプレミアリーグEASTで対峙したU-18日本代表の司令塔・MF大関友翔(現川崎F)は攻撃面を参考にしていると同時に、超えなければならないと考えているプレーヤ―だ。これからも攻守両面で進化を続け、必ずプロで活躍できる選手になる。 


(取材・文 吉田太郎)

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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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