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1年前の日本一から挑戦者として成長。岡山学芸館はプレミアプレーオフの敗戦からも学んで選手権初戦へ

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後半45+2分、岡山学芸館高は交代出場の2年生FW香西健心がヘディングシュートを決めて1点差としたが…

[12.8 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ1回戦 帝京長岡高 2-1 岡山学芸館高 東広島運動公園陸上競技場]
 
 岡山学芸館高は、0-2の後半45+2分に左クロスから交代出場FW香西健心(2年)がヘディングシュートを決めて1点差。高原良明監督が「怖さはありますよね。収めたり、起点にはなれるので。(何より)迫力があるからですね」と評する中体連出身の180cmストライカーのゴールで意地を見せた。

 前半、岡山学芸館はプレッシングで帝京長岡高のビルドアップを乱し、押し込まれてもゴール前で集中して守っていた。また攻撃面では、2年生の181cmFW太田修次郎がポストプレーで健闘。前半は左サイドのMF木下瑠己(3年)、後半は右サイドのMF田村日夏汰(3年)がチャンスに絡むシーンを増やした。

 だが、後半立ち上がりにわずかな隙を突かれて失点。13分には守りを崩されて追加点を奪われた。その後、U-17日本高校選抜GK平塚仁(3年)の好セーブやU-17日本高校選抜候補MF田邉望(3年)の奮闘など2点差のまま食い下がり、終盤に交代出場選手たちが反撃を加速させた。

 そして、1点を奪い返したが、惜敗。プリンスリーグの上位からプレミアリーグへ上がるチームになるために、高原監督は「中盤での攻撃のバリエーションとか、守備のところの強度みたいなところは、上げていかないといけないのかなと思います」と求めていた。

 1年前の選手権で初の日本一。注目される中、新チームはMF田口裕真主将(3年)を中心に挑戦者として一歩一歩成長を続けてきた。重圧を乗り越えて夏冬連続で岡山制覇。プリンスリーグ中国も2位に食い込んだ。太田や左SB道満智哉(2年)、香西ら下級生の台頭もある。

 指揮官も「上がってきてるとは思う」と語り、「今日もほんと、前半は全然悪くないし、逆に『いいぞ』っていう話で送り出したんですけど。1点取られてやっぱゲームってもうすぐ流れ変わっちゃうから、その辺も彼らも分かったと思います」。加えて、田邉はチームに出ていた甘さを指摘。この日の敗戦からまた一つ学んだチームは、より強くなって選手権へ向かう。
 
 連覇を懸けた選手権は、初戦(2回戦)からプレミアリーグEAST2位でV候補の一角でもある尚志高(福島)との注目対決。高原監督は「楽しみですよ。尚志とどれぐらいやれるか。ウチはもうほんと、チャレンジャーなんで、相手の方が格上だし。あのチームのどれくらいやれるかなっていうのは楽しみですね。なんとか面白くしたいです」と語った。昨年のプレミアリーグプレーオフは尚志に0-2で敗戦。チームはそこから細かな課題を改善し、選手権で1試合1試合勝ちながら成長を続けた。プレーオフは昨年と同じ初戦敗退。ここから1年前以上の準備をして選手権初戦を迎える。

(取材・文 吉田太郎)

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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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