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ユース取材ライター、川端暁彦記者が選出する2023プレミアリーグEAST11傑

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川端記者がプレミアリーグEAST11傑に選出したDF山本虎(青森山田高、3年)

“U-18年代最高峰のリーグ戦”高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023 EASTとWESTは12月3日に全日程外終了。12月10日にEAST優勝の青森山田高とWEST優勝のサンフレッチェ広島ユースが戦い、青森山田が日本一に輝いた。年間を通してプレミアリーグを取材したライター陣が、独自の視点でリーグ11傑を選出。今回はサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長で育成年代からJリーグまで幅広く取材する川端暁彦記者がプレミアリーグEASTの11傑を発表する。

川端暁彦記者「リーグ戦のベストイレブンを選考するにあたっては、チーム戦績もある程度加味するべきだと考えて中位以上のチームから光った選手をピックアップすることにしました。ポジションも考えながら「東日本選抜」の11名を選んでいます」

以下、川端記者が選出するプレミアリーグEAST11傑

GK雨野颯真(前橋育英高、3年)
山田耕介監督による「今年は厳しい試合展開が続くと思う」という予想の通りに難しい試合が連続した今年の前橋育英において「自分が守って勝たせるプレーを」と語る守護神の存在は大きかった。終盤離脱も、PKセーブ含む要所での活躍が光った。

DF冨岡和真(尚志高、3年)
個性のある選手も多かった右SBだが、シーズンを通しての存在感を加味してこの冨岡を選んでおきたい。負傷や出場停止もなく22試合すべてに出場して奮闘。守備での粘りも成長し、効果的な攻撃参加でもチームの2位躍進へ大きく貢献した。

DF塩川桜道(流通経済大柏高、3年)
チームの軸としての責任も背負って戦ったシーズンで、タフな成長を見せてパフォーマンスも向上。U-18日本代表にピックアップされたのも納得のプレーぶりだった。持ち味の高さに加え、水際の粘り強さも見せた。

DF山本虎(青森山田高、3年)
「自分がキャプテンでいいのか」と葛藤した時期もあったというが、戦う中で自信も蓄え、大きく成長。22試合すべてに出場し、最後方からチームを支えた。DFながら7得点を叩き出して得点ランクに顔を出しているのも特筆すべき点だろう。

DF菅澤凱(青森山田高、3年)
まずは左サイドバックとして先発し、センターバックに負傷者が出ればそちらをカバー。終盤戦では本人が希望してきたボランチとして出場して攻守で得難い働きを披露。4年後のプロ入りを目指す俊英は、大会を通じて確かなプレーぶりだった。

MF尾川丈(川崎フロンターレU-18、3年)
今季の10番を預かった技巧派MFは、トップ下、あるいはボランチとして攻撃の舵取り役を担って奮闘。その技量で観客を何度も沸かせた。シーズンの22試合すべてに出場してチームを支えた。最後は惜しくも届かずに3位で終わったが、上位猛追の原動力となった。

MF土谷飛雅(昌平高、3年)
見えているところが違えば、キックも異次元のパサーは22試合すべてに出場。一瞬の隙を見逃さないセンスは常に相手DFの脅威となり続けた。記録したアシストも多かったが、“アシスト未遂”の好パスも印象に残る。

MF安齋悠人(尚志高、3年)
シーズン通しての安定感という意味では「今一つ」だったかもしれないが、爆発力に関しては他の追随を許さない。切れ味鋭い高速ドリブルはハマったら誰にも止められず、万全の警戒態勢を敷いていた青森山田守備陣をも壊乱させた。

FW岡崎寅太郎(川崎フロンターレU-18、3年)
前橋育英相手に2得点を挙げた開幕戦の時点で「得点王を目指す」と堂々宣言していた男は、有言実行の18得点で得点王に。オフ・ザ・ボールを含めてDFとの駆け引きに秀で、巧みにゴールチャンスへ絡んで得点を量産し続けた。

FW郡司璃来(市立船橋高、3年)
どうしても「郡司頼み」になってしまうというジレンマを抱えた今年の市立船橋だが、頼られるからには理由がある。持ち前のゴールへのアイディアやテクニックに加え、厳しいゲーム展開でもゴールを引き寄せられるエースとしての風格を感じる1年だった。

FW近野伸大(柏レイソルU-18、3年)
今季のスタートはケガとの戦いから始まった。5月にようやく戦線に復帰して徐々に状態を上げると、大きな体に特別な馬力も付いたことで前線での存在感は無類に。最終的には13得点でランク3位に付けてみせた。

●高円宮杯プレミアリーグ2023特集
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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