[12.17 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16予選リーグ第3節　高川学園高 3-3 藤枝東高 時之栖うさぎ島G]

　パスサッカーの中心になっていた10番は強豪相手でも決めて、勝利へ導く存在になる。MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16は17日に予選リーグ最終節を行い、選手権優勝4回の名門・藤枝東高(東海2、静岡)は高川学園高(中国、山口)と3-3で引き分け。2分1敗、総得点差によってAグループ2位となった。

　この日はFW木全悠太、DF寺田理宇、そしてMF南部陽哉のゴールによって前半で3点を先取。DF井上凱晴やMF山本旬がボールを奪って攻撃に繋げ、スピーディーなパスワークから右WB大畑智暉の突破力などを活用してゴール前のシーンを創出した。

　中でもAチームや国体静岡県選抜で光る動きを見せてきた10番MF泉孝太郎(FC東京U-15むさし出身)が存在感のある動き。トップ下の位置で収まりどころになりつつ、攻撃をスピードアップさせる働きや決定的な仕事をする役割を果たしていた。

　兄で藤枝東の先輩MF泉新之助(3年)は守備や左足が特長だったが、「自分は守備より攻撃に少し特化した感じ。中盤で持って空いたスペースがあった時にスピードに乗って運べるところと、上手く周りを使いながら 自分が起点となってパスサッカーを作れるところを見て欲しい」と説明する。

　そして、「自分がトップ下で起点になったり、自分の動き出しによって、ボランチの人だったり、サイドの動きっていうのが決まってくると思うんで、自分、運動量は少し上がると思うんですけど、そこはしっかり徹底してやっていきたい」と語った。

　今年の藤枝東の1年生チームについて、泉は「個人って言うより、1人1人の連係とかが、上手くいっていて、チームとして良いサッカーができているかなと思います。個々で抜くよりかは、上手く間使ってのような。それで、藤枝東のパスサッカーは、良い風に再現できてるかなと思います」と語る。

　その一方、MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16では課題も残った。予選リーグ全3試合で先制しながら、逆転されたり、終盤に追いつかれたりして未勝利に終わっている。「爪の甘さが原因」という課題を確認。今後の戦いでは自分たちのパススタイルを継続しながら、課題を改善し、しっかりと勝ち切ることも目指す。

　泉は今後の目標について、「今大会ではまだ全然得点とかが決められてないんで、ここだけじゃなくてトップ(チーム)でも、トップ下でシュートもどんどん狙って、得点もアシストもできるような、そういう存在になっていきたい」。そして、「プリンス(リーグ)ではジュビロとかエスパとか強いチームがいっぱいいるんですけど、そういうところにもしっかり自分のプレーを発揮して、得点も決めて、勝利をしていきたいと思います」と意気込んだ。強豪チーム相手にも結果を残し、チームをプレミアリーグや目標の全国制覇へ導く。

(取材・文　吉田太郎)