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[NEW BALANCE CUP]“裏選手権”で初の決勝進出。横浜創英にとって欠かせないMF岡澤訊は1年後の「選手権で全国」を誓う

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横浜創英高は“裏選手権”で初の決勝進出MF岡澤訊(2年=横浜F・マリノスジュニアユース追浜出身)は攻守の中心選手に

“裏選手権”で初の決勝進出。横浜創英高(神奈川)は、1年後の選手権初出場へ一つ弾みをつけた。1月6日まで開催された「NEW BALANCE CUP 2024 IN TOKINOSUMIKA」(通称:裏選手権) で横浜創英は、高い攻撃力を発揮。決勝トーナメント1回戦の東山高(京都)戦は1-0、準決勝の流通経済大柏高(千葉)戦は1-1からのPK戦での勝利だったものの、残る4試合は全て3得点以上を叩き出しての決勝進出だった。

 MF岡澤訊(2年=横浜F・マリノスジュニアユース追浜出身)は「攻撃の面では結構得点できているんで、そこは自信になっている。自分たちのサッカーが上手くできている。(前線の速さも活かして)自分たちの試合ができている」と説明する。

 横浜創英はインターハイ出場2回、U-22日本代表候補MF坂岸寛大(新潟医療福祉大→いわき)らを輩出している新興勢力だ。昨秋の選手権神奈川県予選は、準々決勝でインターハイ準優勝校の桐光学園高と対戦し、後半アディショナルタイムの失点によって0-1で惜敗した。だが、岡澤をはじめ、GK和田薫空(2年)、MF福田裕翔(2年)、MF川上哲平(2年)、MF尾毛駿介(2年)といった経験者を残す今年は、宮澤崇史監督も技術力や判断力といったベースの高さに期待を寄せる世代だ。

 21年8月の人工芝グラウンド完成後に入学した現2年生は、19人中13人がJクラブアカデミー出身。好環境の中で自分たちの武器を磨き上げてきた。その中で岡澤は、「リズムを作るには欠かせない」「間を作る子」と評価されている存在だ。

 今回の「NEW BALANCE CUP」でのプレーについて、岡澤は「簡単にやるところと自分が運ぶところと、落ち着いて相手も見えている」と自己分析。誰よりも多くボールを受けて特長の縦パスをつけたり、ワンツーを活用して前進するなど組み立ての中心としてチームを支えている。

 昨夏頃は不振に陥っていたというが、苦しい時期を乗り越えて中心選手に。3年生の強度の中でどれだけ自分のプレーを表現できるかを意識して取り組んできた。「(ボランチとして、)自分が中心になってやれたら良いなというのが一番ある。守備もそうですし、攻撃でも点に絡めたら良い。あまり点に絡むことがないので、そういうところももっとやっていけたらいい」。攻守で中心的な役割を果たせる選手になることを目指している。

「NEW BALANCE CUP」でチームは、流経大柏に勝利した準決勝直後の決勝で山梨学院高(山梨)に0-7と完敗。前半は各選手がポジショニング良くボールを引き出し、鋭いターン、ドリブル、パスワークで局面を打開してチャンスを作り出していたものの、ミスや守備対応の甘さが出て失点を重ねてしまった。

 岡澤は「個人としては守備のところは自分としても課題なのでもっと強く行って、チームとしても失点が多いところは課題になってくると思う。攻撃力はあると思うし、選手権は狙えると思う。守備のところからチームを作っていって、選手権で全国行って、リーグ戦もしっかり結果を残していきたい」。手応えを掴むと同時に課題を学んだ“裏選手権”。1年後の選手権に初出場するという大目標を達成するために、ストロングポイントの質の向上に加え、個人、チームの課題を改善することにもこだわる。 

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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