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高校選抜で目指す恩師への恩返し。京都橘FW西川桂太が大学生から唯一のゴール

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日本高校選抜候補FW西川桂太(京都橘高3年=Vervento京都FC出身)が唯一のゴールを決めた

[1.22 練習試合 日本高校選抜候補 1-3 東京国際大]

 自分のため、恩師のためにも高校選抜で活躍する。日本高校選抜候補は25分×4本で行われた練習試合の4本目に待望の1点。右サイドから崩し、最後はMF中村健太(堀越高3年)のラストパスをFW西川桂太(京都橘高3年=Vervento京都FC出身)がスライディングシュートで決めた。

 中盤の攻撃的なポジションを得意とする西川は昨夏以降、京都橘の得点力向上のためにFWでのプレー機会を増加。そこで攻撃力やハードワークを発揮するなどチームの選手権出場に貢献した。高校選抜候補にMF登録で選出された西川は前日の練習試合でボランチ、左SBとしてプレーしたが、この日はFWで出場。前日の時点で「自分の持ち味をもっと出さなあかんな」と感じていたという西川は、内容と結果を求めて25分間に臨んだ。

「FWで使ってもらえたんで、点取るってことが1番のアピールになるかなと思ってて。3本目まで誰も点取ってなかったですし、点取れば分かりやすく(印象に)残るっていうのでゴールはずっと狙ってて、良いパスが来て、決めきれて良かったなと思います」。高校選抜候補の選手たちは質が高い。ゴール前でのDFとの駆け引きを制した西川の動きに加え、要求通りにボールが届いたことも貴重な1点に繋がった。

 得点後も、今回の選考合宿で心がけているというシンプルに判断しながらプレー。チャンスがあればスルーパス、シュートを狙った。そして、球際で引かずにバトル。「色々なポジションやらしてもらって、まずできるのはやっぱ戦うところやと思うんで。声かけて戦うっていうのは京都橘でも1年間やってきたことなんで、それは絶対出そうっていうのは思っています」。今後の高校選抜活動でも京都橘で学んだことを全力で表現するつもりでいる。

 京都橘は日本一を目指した選手権の初戦で富山一高に逆転負け。それでも、恩師・米澤一成監督(京都橘高)が率いる日本高校選抜の選考合宿メンバーに主将の西川とGK中浦悠大(3年)、CB池戸柊宇(3年)の3選手が選出された。

 西川は「チャンスもらったからには、(欧州遠征メンバー入りを)もちろん狙ってますし、こういうレベル高い選手の中でやることで自分も成長できると思ってるし、色々なものを吸収して、この先のキャリア、プロ行っても活躍できる選手になりたいんで、そのためには必ず入りたいなって強く思います」と力を込めた。

 西川は2年時から京都橘のエース。だが、昨年のU-17日本高校選抜候補メンバーに京都橘で同学年の中浦やMF福永裕也が選ばれたのに対し、西川は選外となった。悔しさをバネに1年間努力を重ね、関西トップクラスのタレントとして日本高校選抜候補入り。「(1年前は)正直、めっちゃ悔しくて、『来年は絶対入ってやる』っていうのは、心の中で思ってましたし、そのためだけじゃないですけど、1年間やってきた過程の先にこうやって呼んでもらえたので。やれることしっかりやって、全力でプレーしたいなと思います」。選手権全国大会は1試合のみで終わったが、日本高校選抜で米澤監督と一つでも多くの白星を勝ち取る意気込みだ。

「全国は本当に悔しい結果で終わってしまったんですけど、その経験もしっかり自分の力にして、あとは(米澤)監督に連れてきてもらったので、しっかり恩返しできるように、自分のできる最大限のプレーを出したいなと思います」。NEXT GENERATION MATCH、デンソーカップチャレンジ、欧州遠征と最大で4月初旬まで続く日本高校選抜の活動に生き残って活躍し、その経験を同志社大やその先のステージで活かして恩師に恩返しする。

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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